【やすらぎの郷】第20週 感想 本当にこれは「戦争」なのか?

マージャンの話で盛り上がる菊村(石坂浩二)と岩倉(山本圭)。
だが、バーテンダーのゆかり(松岡茉優)は内容を理解できない。
その後、帰路でゆかりは思わぬ事件に遭う。
犯人は総務担当・一馬(平野勇樹)が知る不良一味だった。
一馬は単身、彼らの元に乗り込むが、返り討ちに遭う。
それを知った他の男性従業員は、敵を討とうと立ち上がる。
従業員は皆、前科のある身だった。
そんな中、秀次(藤竜也)たちが事件を知る。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「やすらぎの郷」第20週 第96~第100話

  yasuragi

主役である菊村栄が完全に話の外に追い出された週。

「戦争」を語るために挿入された強かんエピソードは視聴者を絶望に陥れ、「やられたらやり返す」「忘れましょ忘れましょ」で簡単解決させる脚本に唖然とする。

簡単にあらすじおさらい

第96話(月曜日) : 伸子の父・松岡とマロが麻雀で対決し、九蓮宝燈で上がった話をカサブランカで大納言にする栄。話は盛り上がり、店じまいは遅くなる。バーテンダーの財前ゆかり(ハッピー)は、いつものように自転車で帰宅する途中、見知らぬ男たちに攫われる。

ハッピーの遅い帰宅を気に掛けていた郷の介護職員・宮下一馬は山道で逃げていく4人の男と乗り捨てられたハッピーの自転車を発見。脇道の森の中に踏み込み性的暴力を受けたハッピーを見つける。

第97話(火曜日) : ハッピーを暴行した男に心当たりがあった一馬は一人で男の職場へ乗り込む。男は暴走族の頭で一馬の高校時代の同級生だった。報復しに行った一馬だったが相手は2人がかりであり、一馬も怪我を負ってしまう。この異様な事態に郷の男性職員たちが気づき始める。

 

第98話(水曜日) : ハッピーの身に起きた事にはスタッフの間で「箝口令が敷かれた」が、裏では密かに広がっていた。前科持ちの男性職員たちは、ハッピーと一馬の敵討ちを計画し始める。そして、この計画に郷で腕っ節自慢のアクション俳優たちが気づく。

第99話(木曜日) : 任侠映画俳スター・高井秀次、アクション大部屋俳優・原田、殺陣師・那須の3人は「これは先の短い年寄りの仕事だ」と郷のスタッフたちを制し、男たちの溜まり場に乗り込む。そして思う存分腕を振るい、仇討を遂行する。
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第100話(金曜日) : 翌日には警察が郷を訪れたが、不良グループも自分たちの犯罪が露見するのを恐れて訴えなかったので、俳優たちの処罰は理事長からの厳重注意のみで終わった。

ハッピーの一件は初めてマロの口から栄たちに知らされる。

翌日、出勤してきたハッピーのために皆カサブランカに集まり、お嬢はハッピーに女の道を説くのだった。だが、栄にはハッピーに掛けてあげられる言葉がなかった。

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

冒頭に「主役である(たぶん)菊村栄が完全に話の外に追い出された週」と書いたが、全ての出来事が実は菊村栄が「カサブランカ」に長居してハッピーの帰りが遅くなったことを発端としているので、ある意味これは恐ろしい事でもある。

主役は事件の切っ掛けを作っているというのに、その事すら知らず知らされず、ラストは「皆さんもどうか忘れてくださいね~」とか言って週を〆るのであった。

人生において知らず知らず自分が何かの事件の発端になっているということは有りえるし、なのに他人事のようにアドバイスしたり語ったりしちゃってるかも知れないわけで。

世の中ではそれを「能天気」と言ったり「空気読めない」と言ったりする。

または「知らぬが仏」。

この事実に栄ちゃんが気づく時は来るのだろうか。

犬山小春の事も呪い揚げのことも安西直美のことも蒸し返し繰り返してきたドラマである。

でも、今週の話はもう二度と悲しげに蒸し返さないでいただきたい。

もちろん、楽しげになんか蒸し返せるわけがないし。
本当に取り返しのつかないことをやったねぇ…と思うのだった。

いつもはここから一週間のTwitter実況を張り付けて感想にするのですが、今週はそれも気分悪いのでツラツラと書きます。

感想に補足する部分はツイを拾います。

時間「帯」という考え方

所詮ドラマなのだから勝手に描けばいいし、何をやろうが脚本家含むスタッフの自由だ。
それに対し、視聴者は見るか見ないかの自由を与えられている。

昼間のドラマでこんな内容は不快…と思っているわけではない。元々、昼時間帯のドラマ…いわゆる「昼メロ」の流れからすれば、ありそうなエピソードである。「昼帯のドラマなのだから昼メロ」を求めていた視聴者にとっては「やっと来た」のかも知れない。

また「テレビ朝日」のドラマとして考えると、「やられて仕返し」描写は時代劇や刑事ものの流れにも見える。「待ってました」の視聴者もいるだろう。役者さんたちは確かにカッコ良かったのである。
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性暴力やあまたの暴行事件で泣き寝入りする人たちは現実にいるし、そういう人たちに替わって成敗したのだという見方もあるかも知れない。見たくないからと言って蓋をする問題ではなく、見せて考えさせるというメディアの役割を果たしたのだということ。

しかし、だったら、この解決は無いんじゃないだろうか。

現実に暴行を受けた人がいるのだということを考えさせるために見せる。ならば解決も現実問題に即した内容にしないと。

腕っ節の強いお年寄りが玉を潰して復讐してくれて、「箝口令」とか言いながら周囲には知れ渡っていて、レイプされた方が「私は大丈夫です」と気を使って涙ぐまなきゃならなくて、「こうして女になるんだから忘れろ」などと要求される。

これは、やられた人の身になって書かれた話なのだろうか。

ここに「枠」の問題が現れる。

登場人物が暴行されるドラマや映画なんて山ほどある。が、22時台の連ドラならば1時間10話ほど掛けてゆっくりしっかり解決する。視聴者は、それこそ暴行される可能性のある世代やその親世代だ。内容によっては見る価値がある。2時間ドラマや映画もしかり。しっかり踏込み、時間枠の中で解決する。

けれども、これはシルバー世代に向けたシルバー世代のためのドラマだ。時間も15分。難しい解決はしない。結局、この件でシルバーの視聴者の頭に残るのは久々に見る大御所俳優のまだキレがあるアクションへの賞賛のみ。これ、若者が犠牲になる必要性はあったのだろうか。お年寄りが襲われる話で良かったんじゃ……。

「これが戦争です」

ただ、この週をファンタジーとして捉えれば、別の見方も出来る。

「やられたらやり返す」これが戦争だという愚かさを老人が若者に実演して見せてしまうとはどういう事だろう…。これじゃ何の教訓にもならないだろうが。

と、見た後は思ったのだが、なるほど、ハッピーの事件から全て「これが戦争」の象徴なのかもしれない。

みんなが大事にしている人気者のハッピーが奪われる。
その理不尽さを抱えたまま、復讐に走る。

決して痛快でも爽快でもなく、やり返したからといって奪われたものが戻るわけではない。

「それが戦争」そういうことですよね。

犯人たちは自分たちがやらかした事もある手前 老人たちを訴える事はできず、甘い理事長の「今後は慎んで下さい」で事は終わったが、こんなセキュリティ甘々な施設いつやり返されるか解らないのに。

(それに警察もずいぶん甘々だよね。犯人は自業自得とはいえ一生の生活に関わる重症なのだから爺さんたちがやった事は重罪だし、ハッピーの件だってつき詰めていけば露見するだろうし。強姦罪は親告罪だが集団強姦罪は親告罪ではないですよ~。)

やられたらやり返す。
それが戦争だと身を持って教えたのだから、やり返される可能性だってあるわけで。
(ああいう人たちは、火でもつけに来ると思う。本当に。)

「目には目を」をカッコ良さげにやらかし、きちんと償わないのならば、もう最後は郷が燃やされてお終いになっても致し方ない気もする。

それが「戦争」ですよね。

ハッピーには戻ってこないで欲しかった

これは、辱めを受けたら外に出るなとか、普通の生活を二度としてはならないとか、そういう意味ではなく。

この一連の事件が「戦争」を表しているのならば、理不尽に奪われたハッピーは戻すべきではない。という事。

大事なものが奪われた。
仕返しした。
スッキリした。
でも、もう戻ってこない。
この理不尽さを嘆き、二度と同じことが起こらないようにと手を合わせる……。

ついでに言うと、仕返しに行った人たちも戻さないべきなのでは。
そういう覚悟で「先が短い我々がやるべき」と出て行ったのだから。

やり返しに行ったあのカッコいい人たちも二度と戻ってこない……。
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それが戦争でしょう。

何をわずかな期間で「カサブランカ」に復活させたりしているのか。

「そうよ忘れなさい。忘れるのが一番。忘れて女はね、女になっていくのよ。」

これが心に響く深い慰めの言葉なの

男の書いた脚本だなぁ…
改めてそう思ったわ。

セカンドレイプ

今回のこの脚本のせいで、ネットで話題として出てきたのが倉本先生の殺害された大姪の件。
2013年の事件で、結構有名な話らしいが私は知らなかった(あるいは綺麗に忘れたのかも)

脚本家の親族の方が元カレにストーカーされたあげく殺された事件で、被害者はポルノまがいの写真もネットに流されて世間的には何度も殺されることになったという悲惨な話である。

先生がこんな脚本を書かなければネットに上がる事も無かった事件ですよ。

倉本先生はこれを「風化させたくなくて」このエピソードを入れたのではないかという話も回っているが、それは違うんじゃないかと私は思うのだ。

それは、ヒデさんたちがやったのと同じような自己満足ですよね。
ご親族の方は、もうそっとしておいてほしいと思っているでしょうよ。
ドラマのエピソードだけじゃなくて、実際の事件まで蒸し返してしまうなんて酷だわ。
これも立派なセカンドレイプだ。


これですよね……。

「人生はアップで見れば悲劇だが、ロングショットでは喜劇である」

結局は、これがこのドラマのテーマなのだろうと思っている。

「やすらぎ体操」の中にもこういう歌詞があるよね。
「明日はわからない~それも人生~」「あああ~人生は面白い~」
…どんなカオスな状況もそう言えるのは、もう充分に人生を生きたからであって。

まだ20年しか生きていない女性のこの苦悩。思い出話に出来るまでの道のりは長すぎる。

「戦争でそんな目に遭った人も忘れて前を向いて生きて来たんだ」という話もあるけれども、同じような境遇の人が数多く居る時代と居ない時代では生きづらさの度合いも違うよね。

実はここは「ライン」

いえ…解らない方はいいんです…。

えっと、たぶん前の記事にも書いたけれども、あの釣り場の合成感といい実は「やすらぎの郷」って死後の世界なのでは…と思っていたのね。
  yasuragi12-釣り

けれども、時々、シノのような外部の人間もやってくる。

…となると、ラインの可能性もあるなぁって…。

これは、全て夢なのよね。どこかの施設でもうすぐ消えそうな魂たちの夢ね。

そうしてくれればハッピーの件も救われると思うのだった。

この週を楽しく見た方は、ご不快な内容で申し訳ありませんね。

「どうか皆さんも忘れてやってくださいねーーーーーーー」

再放送

通常再放送は BS朝日 毎週月曜~金曜日 朝7時40分~8時。

前週分の無料配信は「TVer」

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※キャスト

菊村栄 – 石坂浩二

白川冴子 – 浅丘ルリ子
及川しのぶ – 有馬稲子
水谷マヤ – 加賀まりこ
三井路子 – 五月みどり
井深凉子 – 野際陽子
高井秀次 – 藤竜也
真野六郎 – ミッキー・カーチス
九条節子 – 八千草薫
岩倉正臣 – 山本圭
松岡伸子 – 常盤貴子
財前ゆかり – 松岡茉優
名倉みどり – 草刈民代
菊村律子 – 風吹ジュン
名倉修平 – 名高達男
貝田英信 – 藤木孝

三角寬次 – 山谷初男
堺田俵介 – 毒蝮三太夫
原田 – 伊吹吾郎
那須 – 倉田保昭
中井竜介 – 中村龍史
宮下一馬 – 平野勇樹
中里正 – 加藤久雅
進藤秀夫 – 山下澄人
橋本忠吉 – 納谷真大
野村伊三郎 – 芳野史明
菅野平助 – 西岡ゆん
村松豊 – 福崎峻介
千倉和夫 – 森谷勇太
冲正之 – 熊澤洋幸
荒木実 – 関健介
正岡治 – 池田絢亮
田辺三郎 – 湯川尚樹
茅野大三郎 – 伊藤初雄
茅野順子(カメコ) – 長内美那子
白鳥洋介 – 上條恒彦
車いすの老人 – 倉本聰
老人の介護人 – 中島みゆき

中山保久 – 近藤正臣
侘助 – 小松政夫
玉子 – 野村麻純
犬山小春 – 冨士眞奈美
石上五郎 – 津川雅彦
松岡信三 – 柴俊夫
四宮道弘 – 向井理
榊原アザミ – 清野菜名
菊村梢 – 山本舞香
菊村加奈子 – 森上千絵
菊村一郎 – 水津聡
住職 – 坂本長利
おかみ – 福井裕子

※スタッフ

脚本 – 倉本聰
演出 – 藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
プロデューサー – 五十嵐文郎
音楽 – 島健

主題歌 – 中島みゆき「慕情」

公式サイト http://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginosato/

コメント

  1. くう より:

    モカさん
    >色々不満を言いましたし、このエピソードは絶対に納得できませんが、私も最後まで見たいと思ってます

    今週になったらもう「忘れてください」の通りにガラっと話が変わって、何も無かったかのようにハッピーちゃんがカサブランカに居て、もう…何か気まずいです(爆)

    この気まずさって、実際に事件に遭った人を目の前にした気まずさって感じがするので、それを狙っているなら凄い脚本!(笑)

  2. モカ より:

    コメントありがとうございます?
    色々不満を言いましたし、このエピソードは絶対に納得できませんが、私も最後まで見たいと思ってます。
    20週で唯一「わーい」とも思ったのが「野際さんのシーンがまだあった!」というところだったので?

    確かにプライバシーもない施設ですよね(笑)
    濃野佐志美の正体をバラしたのは私も引きました。
    正直マロというキャラに全く魅力を感じなくて‥‥。
    ただのおしゃべりキャラとしてしか描いてないですし。
    この先もう掘り下げなさそうですよね。時間ないですし。
    もし掘り下げあったら見直しちゃいますけどね(笑)

    確かにわ

  3. くう より:

    紫花浜匙 さん
    >シニアもまだまだカッコ良さを示せる事が描きたかったのなら、こんなエピはなくても良かったのに。
    しかも、ハッピーじゃなくても。

    腕っ節が強くてカッコいいこととアクションを時代劇のように見せたかったんだろうけれども、そこにこんなリアルな案件を持ちこんじゃったらムリだから(呆)

    私もハッピーじゃなければまだマシだったと思ったわ。
    もちろん、誰でもイヤだけれども、親しんだキャラをわざわざ襲わせるとリアリティと嫌悪感が増してしまうよね。

    お爺さまたちを活躍させたかったなら、一馬が襲われたという暴力沙汰への報復話で良かったと思うよ。

    >でも最終回まで視聴するの。野際さんを見たいから。

    私も!そこよね!
    野際さんの遺作に傷をつけられたくないわ。

  4. くう より:

    モカさん
    >今まではツッコミどころはありつつも硬軟エピソード取り混ぜおもしろく見せていて流石だなぁと思っていましたが、全て台無しでした。

    私もねぇ…「さすがだな」の中には「シルバー向けの昼の枠でも上手く合ったドラマを書ける才能がさすがだな」と思っていたわけです。

    なのに、これですもん。
    お昼の顔には向いてないってことになっちゃいましたね。

    >私はそれもあるのかもと思いました。
    しかし、それならば被害者であるハッピーの扱いを慎重にすべきだったと思うのです

    結局、昼のシルバー向けの枠では解決できないわけです。
    だからやらない方がいいんですよね。

    >また、事件に関わっていない菊村にこの件が伝わるのを、伸子→マロ→菊村という方法を取ったことにもがっかりしました。

    ほんとーーーにプライバシーゼロの郷ですよね、ここ(爆)
    私ゃ濃野佐志美の正体を放送でバラした回もどうかと思いましたよ。

    スタッフも…そして、入居者の中でも特にマロのお口が軽すぎて嫌悪感~。
    伸子さんの好みがよう解らないです^^;

  5. くう より:

    kyomさん
    >男性の脚本家でも岡田先生ならこんな脚本は書かなかったでしょう

    岡田先生だと老人があたふたしているだけの微笑ましいドラマになっていたかも(笑)

    これは野島伸司せんせーがかつて作っていたお話に近いですねぇ。
    野島さんすらそろそろ止めたようなネタを今頃仕込んでくるとは……。

  6. 紫花浜匙 より:

    シニアもまだまだカッコ良さを示せる事が描きたかったのなら、こんなエピはなくても良かったのに。
    しかも、ハッピーじゃなくても。誰でも嫌だったけど。
    男の人から見たら、女性の精神面に関しては、この程度なんだろうか。
    もともと一馬も暑苦しくて、まさかこれがきっかけでハッピーとくっついたりしないでね。と、
    余計な事まで考えてしまった。
    中高年が若者言葉を話す安っぽさも、いただけなかった。

    就活の取説のようなドラマだな〜、って思っていたけど、
    やすらぎの里の毎度のコンプラの無さにドラマとは言えゲンナリ〜。

    でも最終回まで視聴するの。野際さんを見たいから。

  7. モカ より:

    こんにちは。

    私も今週は怒りに震えてしまいました。
    今まではツッコミどころはありつつも硬軟エピソード取り混ぜおもしろく見せていて流石だなぁと思っていましたが、全て台無しでした。

    くうさんと思うところは大体一致するのですが、
    レイプ被害というエピソードを入れたのが、親戚の女性の事件に対する憤りを表したのではないかという意見、私はそれもあるのかもと思いました。
    しかし、それならば被害者であるハッピーの扱いを慎重にすべきだったと思うのです。
    当初から男性が何人も出てきて、本人の知らないうちに「まわされた」などという屈辱的な言い回しがどんどん耳打ちされていく。
    倉本聰ほどのベテランなので、最初は「セカンドレイプに対する皮肉を描いてるのだろうか?」と深読みしましたが、どうもそうではない。
    挙句にたった3日で出勤して(しかも現場は帰り道なのに)本人から「気持ちの整理はつきました」と言わせたのを見て、
    「あー倉本聰は単にレイプ被害に合うということの重さをわかってないだけなんだ」と思いました。
    東日本大震災や戦争のエピソードで「体験してないことは所詮人は他人事なのだ」ということを思い知らせてきて流石だなぁと思いましたが、その通り、倉本聰は自分の体験してないレイプ被害の重さが他人事なんですね。
    爺さんたちが活躍するためのキッカケに簡単に使えてしまうくらいに。

    また、事件に関わっていない菊村にこの件が伝わるのを、伸子→マロ→菊村という方法を取ったことにもがっかりしました。
    本来なら職員である伸子がたとえ恋人であろうともマロに話すのはあり得ないし、いくらお調子者のマロでもさらにそれを話して回るというのはキャラクターとしてさすがにおかしいです。
    ちょうど今週の「ひよっこ」のレビューで、みね子のことを由香がヤスハルから聞いてたり、立ち聞きをセルフツッコミする岡田脚本は、本来その件を知らない人間に伝える書き方が上手いと書いてるものをみました。
    話の展開の為にキャラクターに本来ありえない行動をさせるというのは下手な脚本の典型的なパターンです。
    そういう意味でも倉本聰、大ベテランなのにこんなものなのか‥‥とガッカリしました。

    長々とすみません。
    今週ずっとモヤモヤしていて、ツイッター検索したりしても中々落ち着かず、くうさんの感想を見たらますます書かずにはいられませんでした。
    たかがドラマと思えればいいんですけど、どうしても引っかかってしまって。
    少なくともくうさんが同じ様に思っていて何だかホッとしました。
    ありがとうございます。

  8. kyom より:

    ひどかったですね。
    その一言に尽きます。
    男性の脚本家でも岡田先生ならこんな脚本は書かなかったでしょう。
    世代の違い?なのか、まったく理解できないですね。
    がっかりしました。
    話はきっと何事もなかったかのように進むのでしょうね。
    もう見なくていいかなと思います。

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