【 デート ~恋とはどんなものかしら~ 】第4話 感想

別に人さまに迷惑掛けてるわけじゃないし。
私にだけ迷惑掛けてんだもん。
そして、ああいう子に育てたのはこの私。
製造元が責任取るのは当然でしょ。

どうせ私が死んじゃったらどうにかするでしょうし。
世の中いろんな人がいていいし、いろんな生き方があっていい。

 

いろんな生き方があっていい…。

 

うん。
その方が面白いわよ。

 

デート~恋とはどんなものかしら~ 第4話

      月9ドラマ「デート 恋とはどんなものかしら」感想

 

巧ンのお母さん、甘いな~~…と今まで思っていたんだけど~~。

「甘い」とかそういうモンじゃなかった。
もっと大きな…「愛」

いないわ。
こんな親、なかなか…なれないわ。

 

季節は昨年に遡って、ドラマの中はクリスマスイヴである。

 

本日、残業は遠慮させていただきたいのですがよろしいでしょうか?

と、上司に申告する依子。

 

ああ、もちろん。
君にばかり頼んで悪いなと思ってたんだ。
あっ…今日はクリスマスイブじゃないか。
デートかな?

 

はい。 デートです。

クソ真面目に報告する依子。

 

イルミネーション溢れる街中で、目の前をスクーターに乗って通り過ぎるガチなサンタに
目を見張る巧。

そんなわけないそんなわけない。スクーターが同じなだけだ!
通り過ぎろ通り過ぎろ通り過ぎろ!

 

しかし、スクーターはUターンして巧の前に戻ってきた。

 

メリークリスマス。
驚いたようですね。

戸惑っているんです。

人生初のクリスマスデートを上質なものにするべく情報収集したところ、サンタクロースの
コスプレをしたら彼氏がとても喜んだという体験談があったので参考にしてみました。

完成度が高過ぎる!

再現するからには完成度の高いものを目指して何が悪いんですか。

 

目指す方向性が間違ってる!
だいたいなぜ赤い付け鼻をしてるんだ?

 

赤いサンタの服を上下揃え、白いヒゲを着け、赤い帽子をかぶり、そして
鼻に丸くて赤い鼻……ん

 

歌を知らないんですか?
♪~真っ赤なお鼻の~♪~トナ………

 

つけ鼻を外す依子である。

 

この日に到るまでは紆余曲折があった。

クリスマスデート9日前。

依子は巧に前回のホテル連れ込まれ騒動のケガはどうなったかと電話をした。

 

2~3日であざも消えると思いますよ。

安心しました。
ついでにもう1点、あなたに私とデートする機会をもう一度与えても構わないと
考えています。理由は2点です。

1点目、その行動の是非はともかくとして私を助けようとしてくださった点を評価して。
2点目、あなたが高等遊民と称する若年無業者となった事情を正確に把握しないまま
怠け者と断じ批判したことはわれながら早計であったと考え直しているため。

以上です。

 

3点目、自分のような痛い女を相手にしてくれるのは僕みたいな痛い男ぐらいしか
いないと思い知ったから。
それが本音でしょ?

 

そっちがもう一度デートしてほしいと頼むなら考えてもいい。
こちらから頼むつもりはありません。
あなたに好意を持っているわけではないので。

 

僕だってそうですよ!話し合いは無駄のようですね。

 

決裂……。

まぁ、確かに…お互い好きってわけではないんだよね、それは事実だろう。
けれども、気になるクセに…素直じゃないな~。

 

6日前。

依子が仕事を終えて官舎へ戻ると、父が外で待っていた。

 

ちょっと出張で近くに来たもんだから。

こんな所で立っていたら風邪ひくわよ。

だって、中に入れないだろ。お前が合鍵くれないから。

何度も言うけどここは官舎。国の施設なの。
無関係な人に鍵を渡すわけにはいかないわ。

 

中へ入ると、父はクリスマスの予定を聞いてくる。
予定はないからいつものようにツリーを飾って一緒にチキンを食べると答える依子。

 

「うちは仏教徒だからクリスマスを祝う必然性はない」と最初に主張したのは
小学3年生の私よ。
お母さんもその意見に賛成だった。
でもお父さんが 「だからといって何もしないのは寂し過ぎる」「せめてツリーを飾って
フライドチキンでも食べよう」と主張したから毎年こうしているんじゃない。
忘れたの?

あっ、いやいや…。
ほら最近婚活頑張ってたからデートにでも誘われてるかなと思って。

 

そんな予定はないわ。

 

部屋へ戻ると小夜子が現れる。

 

いい年して父親と2人でクリスマスを祝うなんてどうなのよ?

お父さんが望んだことよ。

お父さんが望んでいたのはあなたが子供のころの話。
30にもなる娘と2人、向かい合ってフライドチキンかじって楽しいわけない。

29よ。

 

あ~あ、この子はこのままこうやって年を取っていくんだろうか。
そう思うと絶望的な気持ちになるに決まってる。
「お父さん、今年はデートの約束があるからクリスマスは一緒に過ごせないわ。
ごめんなさい。」いつそう言ってくれるだろうか。腹の中じゃそう思ってるのよ。
そう思いながら毎年毎年今年もまた2人でフライドチキンかじって…。

 

しっっ!!

と言って小夜子を消す依子。

 

同じころ…。
巧は母から絵画教室のクリスマス会への強制参加を告げられているところだった。

 

どうせ家にいるんでしょ?
どうせ約束なんかないんでしょ?
どうせ『素晴らしき哉、人生!』とか見るだけなんでしょ?

いちいち 「どうせ」付けるなよ!

佳織ちゃんたち卒業生呼んで、賑やかにやる計画なんだ昔みたいに~。

卒業したやつって…オカリナばっかり作ってるバカとか自由の女神になって
一日中立ってるバカとか来んの?

 

来るんじゃない?みんな今や立派な芸術家。

自称芸術家のクズだろ。
最悪だ…。

教室のクリスマス会に参加したくない巧。
小夜子から馬鹿にされた依子。

お互いの利害が一致し…
同時にメールを打つ2人。

「24日のご予定は?」

で、お互い同時に相手のメールを見て、

こっちから送るんじゃなかった!

恋愛未体験なのにお互いに負けた気分になっているところがおかしい。

 

それぞれ、クリスマスには予定ができたと親に報告する。

「クリスマスにデートなんてバカげてるけど相手が望むから仕方なく」

もちろん、どっちの親も渋ったりはしない。
元々こうなってくれるのを望んでいるもんね。

ただ、巧の方は母からプレゼント代を引き出せなくて困ったことになったけれども。
唸りながら本棚を見つめる巧。

 

こうして迎えたデート当日。

 

イルミネーションって何がいいのかね。
あざといんだよな。

確かに電力の無駄のように思えます。

 

不満分子の集会みたいになってんぞ…。

 

イルミネーションの側でイチャつくカップルを睨む巧。

 

夜景の見えるスイートルームでクリスマスディナーのルームサービスを予約したんだ。
うれしい!クリスマスプレゼントは、わ た し。

 

殺意を覚えましたよ。

キリスト降誕の日を何だと思っているんでしょうか!

バブル崩壊とともに死滅した人種だと思ってたのにしぶとい。

 

先ほどから機嫌以上に気分が悪そうだった巧はついにヨロヨロし始める。

熱がある事を確認する依子。

 

ここ十数年、冬はほとんど室内にいたもんだから抵抗力がないようで。
でも大丈夫です。

弱すぎる……。

お宅へお連れします。

だっ… だっ駄目です!
そ、それは駄目です。

このような状態ではクリスマスデートを楽しむなど不可能です。

 

家へ帰ればどうなるか解っている巧は抵抗したが、依子によって連れ戻されるのだった。

 

巧の家では宗太郎と佳織がサンタになって歌い、教室パーティの真っ最中。

 

サンタが高等遊民 連れてきた!!

子どもたちにまで「高等遊民」言われてる。

 

チャイムを押したのですが、聞こえてらっしゃらなかったようなので入りました。
藪下依子と申します。
谷口さんが風邪をひかれたようなのでお連れしました。

 

子どもたちのひやかしの声の中、母の留美は歓迎ムード。
無表情な依子。

だから言ったでしょ。
僕はこれから2階で気を失うことにします。
あなたも早く逃げた方がいい。

 

女の子用の可愛いサンタコスプレを示して言う。

ちなみにこれが正解です。

 

巧を送ってすぐに帰ろうとした依子だったが、当然そうはいかず。
パーティの合間に苦しそうに寝ている巧の部屋にドカドカ入る面々。

しかし、お前の部屋久しぶりに入ったけど中2のときより中2感が増してんな。

うるさい出ていけ…。

ねえ、この横尾忠則の画集ちょうだい。

駄目だ!
やっ、藪下さんは何やってんですか?

あまりにもカオスなので整理整頓です。
図書分類法に基づいてカテゴリー別に。
ちなみに『忍者ハットリくん』は歴史。
『ベルサイユのばら』は植物でよろしいですか?

悪夢だ。 クリスマスの悪夢だ。

 

席をシッカリ用意されて、そのまま催し物大会に参加させられる依子。

こういう一芸とか小学芸会みたいなもの、小学校の時によくあったな…。
転校生のお別れ会や学年の終わりに個人やグループで出し物考えて教室で
披露するやつ…、あ、時代

 

申し訳ありません。
私には皆さまにお見せできるような芸がありません。

何でもいいから。

本当に何一つないのです。
すいません。円周率 いっぱい言えるとか。

おっそれだ。

全然駄目です。
円周率を ただ暗記するだけでは意味がないと考えているので。
覚えているとすればせいぜい2万3000桁くらいでしょうか。
それでもよければ。

…5 4 0 3 3 2 1 5 7 1 8 5 3 0 6 1 4 2 8 1 3 75 8 5 0 4 3…。

 

熟睡する子どもたちだった………。

 

やがて客人たちはみんな帰っていき、島田兄妹と依子だけが残る谷口家。

 

一度もクリスマス会を経験したことがなかったので楽しかったと丁寧に礼を言う依子。

 

一度も?
厳しいご家庭だったのかしら?

いえ、むしろ両親はクリスマス会を開きたがっていました。
実際父の勧めで何度かクラスメートを誘ったことはあったんです。
ですが、不運にも毎回誰一人として都合がつかず。

それは嫌われてた…。
言わなくていい。

じゃあ、さみしかったわね。

いえ。 私自身まったく興味がなかったので。

どうせサンタクロースも信じてなかった口だろ。

宗太郎にそう言われて、両親とサンタクロースの存在について論争した話をする依子。

父がプレゼントを持って部屋に入るのを待ち伏せして、

「非現実的な存在を偽装して子供をだますのは何のため?」

と、問う依子に、父は依子に夢を見させたかったんだと言う。
母は理論的に「サンタクロースが居ないという根拠もない」と発言。

小夜子さんは小さい頃から依子の性格を把握して、理論的に説得…というか、
より考えさせる方向で育ててきたのね。

依子はこうして母に対する対抗心を育てて行ったのか。

 

翌年からクリスマスの夜は部屋のドアに鍵を取り付け、父が入れないようにし、
窓の鍵だけを開けて寝るようにしています。

どういうことよ?

サンタの存在を実験をもって検証するためです。
以来20年そうしていますが、いまだサンタが現れたことはありません。

 

その頃…
藪下家ではもう一つのクリスマスパーティがささやかに行われていた。

依子の父と鷲尾くんである。

クリスマス6日前。

鷲尾くんはついに父に

ようやく自分の気持ちが分かりました。
お嬢さんのことが好きなんです!

 

と、告白していたのだった。

えーーーー……鷲尾くん。
鷲尾くんは父が好きなのだと思っていたのに~~…。
普通だった。←普通のストーカーだったのか。

 

鷲尾くんは父に後押しされて依子の好みそうな「実用的な物」を購入。

父が依子にクリスマスの予定を聞きにわざわざ来たのは鷲尾くんのためだったのだ。

予定がないと聞いて喜んで依子に連絡をした鷲尾くんだったが、返事は
「クリスマスはデートの予定がある」だった……。

 

フラれた鷲尾くんは絶望的な思いとプレゼントを抱えて父と飲んでいたのだった。
プレゼントは簡易マッサージ器。

飲んでいる内に父の方もヘベレケになっている。

 

あの子は私にサンタをやらせてくれなかった!

うん…。

父親の夢なのに…。

うん…。

もう今年から一人暮らしだから窓開けてねえだろうなあ…。

 

しかし、依子は今も実験のために窓を開けている。
物騒だから閉めた方がいいとアドバイスする佳織。

 

巧さんはどのようなお子さんだったんでしょうか?
やはり私と同様、クリスマスなんて興味がなかったんでしょうね。

ううん。 あの子は大好きだったわよ。クリスマス。

えっ?

今日みたいに毎年にぎやかにやってたもんね。
サンタさんだってずいぶん大きくなるまで信じてたわ。
「サンタがくれたよ~」って毎年。フフフ…。

本当ですか?

ああ、きっとだまされてるふりしてくれてたのかもしれないけど。
私たち親を喜ばせるために。

 

巧は親にもよくプレゼントをくれる優しい明るい子どもだったらしい。
勉強も運動もできて絵も上手く、中学生くらいから文学にもハマり始めた。

 

作家か芸術家になるって決めてたのね。
大学のころも授業にはほとんど出ないで部屋にこもって何か書いてたわ。

ある日、部屋から出てきてげっそりした顔でこう言ったの。

「僕は凡人だったよ」
創作者になる才能はないって思い知った」

 

漱石や鴎外のような文章も書けない、しピカソのような絵も描けない、モーツァルトの
ような音楽も作れないし、黒沢のような映画も作れない…。

 

つまり…自分は天才だと思い込んで生きて来たのに何かの切っ掛けでそこまでの
才能がない事を思い知ってしまった。

…で、おとなしく就職することを決心したのに就活も上手くいかなかった。

面接で何社も落とされ……

結果、今に到るらしい…。

あ~~…なんか、すごく解るぞ、それ…。

子どもの頃は天才、大人になったら凡人ってやつですよね。
たくさんいるわ、そういう人。

で、凡人なりに生きていくにはプライドが高すぎる。
たぶん、面接でも要らん事を言うから落とされる。

落とされれば自分が社会で必要のない人間のように感じるから自尊心が
どんどん破壊されていく。

破壊される自分を見たくないから引き籠る…。

それ、現実だよ。

 

そして、彼は母に宣言したらしい。

「もう就職しないから。」
「高等遊民になるよ。」

 

悲しい…。

このシーンが本当に切なくて…。

解るんだな。
この世の中に全く自分が受け入れられていない気分になってしまう、全宇宙から
「お前要らない」と言われてしまう孤独が。

引き籠りになってしまう気持ちが解るよ。

就活している人たちには、ホントに頑張ってと言いたい。

 

面接で何があったんでしょうか?

さあねえ。
よほどのことがあったんでしょ。

誰だって好きこのんでニートなんかやってるわけないもん。

 

階段の影でみんなの会話を巧が聞いている。

 

私の育て方が 悪かったのね…。

でも、まっ!何だっていいじゃない。
私はもう何も聞かないことにしたの。
で、考え方を改めることにした。
これも彼の個性なんだって。

個性…。

 

別に人さまに迷惑 掛けてるわけじゃないし。
私にだけ迷惑掛けてんだもん。
そして、ああいう子に育てたのはこの私。
製造元が 責任 取るのは当然でしょ。

どうせ 私が死んじゃったらどうにかするでしょうし。
世の中いろんな人がいていいし、いろんな生き方があっていい。

 

いろんな生き方があっていい…。

 

うん。
その方が面白いわよ。

 

なんて大きな心の人なんだろ。
なんて凄い親なんだろ。

こういう子どもが居たらね、親は誰だって不安でオロオロするし。
つい言ってしまうんだよ「就職はどうするの?」「これからどうするつもりなの?」
挙句の果てには「恥ずかしい。」

精神を病んでいるのだろうと病院に連れて行ったり、本人の心が弱いからだとなじり、
世の中の仕組みが悪いからだと嘆く。

そして、ほとんどの親は「自分のせいだ」とは思わないのだ。
思いたくないんだよね。

なのに、この人は「製造元だから責任を取る」と言う。

こんな人はなかなか居ないし、こんな親にはなれないんだよ。

留美さんの巧ンへの対応は甘さでは無くて覚悟だったんだ。

ここで何だかもう…泣けてしまった。
こういう親が欲しかったし、こういう親になりたかった。

…でも、それはとても難しい。

しかし……。

そんなキレイな感動を押し付けたまま、このドラマが終わるわけがない。

 

みんなで「♪~Holy night」を歌い、クリスマス会はお開き。

依子は礼を言い、巧へのプレゼントを置いて帰ろうとした。

その時、巧がノソッと現れる。

 

具合はいかがですか?

だいぶ楽になりました。
あっそうだ…。
あの…これ…安物だけど。

 

小さい四角い箱を依子に渡す巧。

お気遣い恐縮です。
こちら、つまらないものですがどうぞ。

 

依子からのプレゼントは、ものすごく重いらしい。
受け取ってよろける巧。

大きさは百科事典くらい…。本

 

何だよ何だよ? 開けてみろよ。

…うん。

 

宗太郎と留美さんと佳織がワクワクと見守る中、ラッピングをほどくと…

出てきたのは書類の束だった。
本じゃなくて、ホントに紙の束

 

「若年無業者社会復帰プログラム一覧」
「とにかく働いてみよう」
「君は一人じゃない社会とつながろう」………

 

私が調べた若年無業者社会復帰支援事業の参考資料です。

 

ニートの事をじ…若年無業者っていうんだ……初めて知った……。

 

現在厚生労働省も力を入れており、調べてみたところたくさんありました。
…例えばこれは親子で参加するプログラムです。
お母さまも育て方を間違えたかもしれないとおっしゃいましたが、まさにそのとおりで
家族に問題があるケースが多いのです。
ですからお母さまも一緒に更生される…。

 

おお……依子よ…。
なんて事を言うんだ、この子は…。

宗太郎も佳織も一言も出ず、留美さんも目を丸くする中、依子の言葉を
遮ったのは巧だった。

 

やっぱり君は何も分かってないよ。
母は関係ないだろ!

お母さまは自分に責任があると…。

君は人の心の機微というものが分からないのか!

私が何か間違ったことを言いましたか?

間違ってないよ!
君はいつだって正しいよ!
だけど心がないんだ!

君には心がないんだよ!

 

ムッとしているのか、ガーーーンと思っているのか…
依子の表情はとても読みづらいが…この言葉が何かを動かしたのは
確かだと思う。

依子は黙って谷口家を出て行き、留美さんが追いかけた時にはもう人影もなかった。

さっきまでの明るくて爽やかなムードも感動ムードも一転…。
暗い空気がテレビ画面の中からしんしん伝わってくる。…気まずい…。

 

依子が置いて行ってしまったプレゼントを母に渡して部屋に引きこもる巧。

これ、母さんにあげるよ。

 

依子が整理して行った本をブツブツ言いながら入れ替え直す。

何で数学の本、ここに入ってんだ。ワケ分かんねえよ、ホントに。

そこへ佳織が入ってきた。

 

宮沢賢治の 『銀河鉄道の夜』と『銀河鉄道999』が同じジャンルになってる…。
気持ちは分かるけどさ…。

 

まぁな……「ベルばら」が「植物」に分類されるくらいだからな……。

 

何で 『バガボンド』と『天才バカボン』が交互に並んでるんだ。
どういうジャンルなんだよ!

   デート4-2

ああ……『バガボンド』が「ナンセンス」にされてる~~。

 

これ、見てごらんよ。

 

依子プレゼンツの「若年無業者社会復帰プログラム一覧」を見せる佳織。

どのページにも手書きで色々書き込んである。
こんなにたくさん。

気に入らないかもしれないけどさ、巧君のためにこんなに一生懸命
調べてくれたんだよ。
そんな人いる?

こんなに手間のかかったクリスマスプレゼント、私、知らないよ。

 

さっきは怒りでロクに目も通さなかった資料をまじまじと見つめる巧だった。
確かに…ただ集めて持って来ただけじゃないんだ。

巧の事を考えて(…いや、ただ若年無業者のことを考えただけかも知れないが)、
調べながらリストアップして目を通し、チェックする。
(もしかしたら「仕事」と同じ感覚だったかも知れないが…)

膨大な時間のかかったプレゼントだよね。
   デート4-1

 

しかし、佳織もイイ子だよなぁ…。
普通の恋愛ものに出てくるライバル枠とは全然違うわ~…。

 

……で、普通のライバル枠も存在するのだった。

「実用的なもの」が好きな依子へプレゼントするはずだった簡易マッサージ器を
持って、泣きながら父と飲んでいた鷲尾くん。

 

鷲尾君!
君があの子のサンタになれよ!
このマッサージ器を持って依子の所へ!

 

父は鷲尾くんをけし掛けたが、酔いつぶれた鷲尾くんはそれどころではなく。

酔った勢いで、父の方がそれを実行しようと依子の官舎へ向かっていた。

 

そして、母からプレゼントを返された巧も、宗太郎に乗せられてサンタコスプレで官舎へ。

 

ユーミンだ。
恋人がサンタクロースだ!

 

高等遊民、高等ユーミンになる…。

 

ふっ…不法侵入だろ。

恋人の場合、夜ばいだ。

こ、恋人というわけじゃ…。

じゃあ恋人になっちまえよ。

もし窓が開いてなかったら?

それまでだ。 縁がなかったと思え。
だが、もし、開いてたときは…そんときは神様がこう言ってると思え。
今夜、決めろ!

 

巧サンタはプレゼントを持って依子の部屋へと外梯子を登った。

かくして、二階の窓は開いていた。
依子はサンタ実証のために窓を開けていたからな。

「今夜決める」ために、依子のベッドへ近づく巧。…ぃゃ…性急すぎるだろ。

 

布団にくるまって寝ている依子に大胆にも覆いかぶさる巧であった。

 

藪下さん……。

…思ったより筋肉質なんですね。

僕が…あっ、あなたの、サンタクロースです。

 

その頃

依子は実家に戻っていた。

巧は親にプレゼントをしていたらしいのに自分は父に何もあげてこなかった事を
小夜子から馬鹿にされたからである。

父は酔ってコタツにうつ伏せ、居眠りをしている。

プレゼントの箱をそっとその横に置く依子。

その時、携帯に着信があった。

 

はっ?警察?

 

官舎に戻ると、パトカーが来て大騒ぎ。

人ごみを掻き分け、事情を聴くと、不審者を乗せたパトカーに近づく依子。
そこにはサンタが2人、狭そうに乗っているのだった。

 

お父さん。
お父さん、こちら谷口 巧さんです。

あっ…。谷口です。

谷口さん、こちら父です。

あっ…父です。

初めまして。

 

パトカーの中で初対面の挨拶をする巧と父であった……。

まぁ…その前にベッドの中で会っているけどね……。

 

何がどうして こうなったのか説明するべきだとは思うんだけど…。

分からないんだ。

取りあえず、来年からは鍵を掛けるようにします。

…その方がいいと思います。

 

部屋に入って、巧にキチッと計ったお茶を出し、謝るでもなく話しはじめる依子。

 

14人目です。

はっ?

私に 「心がない」と言った人の数。

幼稚園から現在まで、あなたで14人目です。
関連性のない不特定多数の方がそう評価するということは、おそらくそうなのでしょう。
私には心が…。

そんなことはない!

心のない人間なんていませんよ。
…いいかげんなことを言って、すいませんでした。

 

そう。
依子には心がない…ってことはないんだよ。

依子の心は「小夜子」になって現れている。

なぜ分離してしまっているのか…。
依子は「心」に関心がないように見えるけれども、これも巧と同じで何か
逃げている事情があるのかも知れない。

14人もの人間に「心がない」と言われる人生もまた……つらいよね。
依子的につらかったかどうかは解らないけれども、つらくないと考える方向で
逃げてきたのかも知れないし。

 

父が置いて行ったマッサージ器をいたく気に入った依子である。

依子さん、それは鷲尾くんのプレゼントなのです……。

 

あっ、ぼっ、僕のは…ホントにつまんないものだから…。

また、お母さまのお金で買ったんですか?

 

いえ…。
もらえなかったんで仕方ないから高値が付きそうな古本を何冊か売ったんです。
断腸の思いで。
でも、思ったより値が付かなかったんで安物のネックレスです。

 

巧ンとしては、最高の努力だよね。これ。

しかし、箱を開けると……
そこに入っていたのはネックレスでは無かった。

留美さん、巧ンから貰った時に、中身のネックレスだけ出したのね。

代わりに入っていたのは「肩たたき券」

「期限無制限」

依子がパーティを手伝っている時に肩こりに気づいた留美さん。
ホント、素敵なプレゼントだわ。

そして、巧が子どもの頃にくれた物をずっと持っていたその心が何より素敵だわ。

ウチも子どもが子どもの頃にこういうのくれたよな~…と思い出したら、
またちょっと泣けた。

 

結局、鷲尾くんのマッサージ器よりも、巧の肩たたきを優先する依子であった。

 

そういえば、うちで寝ていたのは誰だったんだろう?

 

その頃…
藪下家では、鷲尾くんがコタツで目覚め、依子が置いて行ったプレゼントに
感極まって嬉し泣き叫んでいた……。

官舎の合鍵ね…。
お父さんが「合鍵くれない」と言っていたからね…。

すごい勘違いが
起きているよぉぉぉぉぉ…。

もちろん、私は主役の2人を絶賛応援中で見ているわけだけど。

鷲尾くんも別の意味で応援したい…。

鷲尾くん…がんばれ……。

 

1時間の中で、よくもまぁこれだけ見ている者の心に緩急つけられるもんだわ。
本当に天才の技だね。あっ「リーハイ」の時と同じこと書いてる。

ストーリーとセリフを追っているだけでも充分面白いのに、その上、ネタがまた…
面白すぎる。いちいちツボだわ。

 

感想はレビューの中に入れ込んでるので、拾って読んで下さい。
こんな長いのに読んでる人いるんだろうか。

…と思いつつ……

今回もホントに面白かったよ~~

↑これがつまり総括!!

 

※コメントのお返事が遅れまくっていてごめんなさいっっ。

 


藪下依子(杏)と谷口巧(長谷川博己)は、クリスマスイブにデートをすることになった。
本来なら受け入れないふたりだが、依子は藪下俊雄(松重豊)と小夜子(和久井映見)の、
巧は谷口留美(風吹ジュン)の過干渉に辟易として、イブの直前に約束をする。  

デート当日、なぜかサンタクロースの格好をした依子と普段着の巧は、カップルで
にぎわう商業施設にやってくる。
ところが、巧が高熱を出してしまったためデートは中止となり、依子は巧を自宅まで送り
届けることに。  

その頃、谷口家はクリスマス会の最中で、留美の美術教室の生徒や、島田佳織(国仲涼子)、
宗太郎(松尾諭)らが盛り上がっていた。
巧は自室に倒れ込んでしまったが、依子はクリスマス会に参加させられる。  

同じ頃、藪下家の俊雄を、鷲尾豊(中島裕翔)が訪ねてくる。
一人でいるのが辛いという鷲尾に、俊雄は酒を付き合ってやる。
やがて、酔いが回った俊雄は、押し入れからサンタクロースの衣装を引っ張り出す。
それを着て幼い依子のサンタクロースになったのか、と聞く鷲尾に、俊雄は依子の幼少時代の
エピソードを明かす。  

一方、谷口家では、留美が依子に、巧の子供時代の話をしていた。
クリスマスが大好きで、サンタクロースの存在も信じ、両親にプレゼントも贈っていたという幼い
巧の話を、依子は意外な思いで聞いていた。
さらに、巧が「高等遊民」になったきっかけを話し始め…。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

 

よろしければ→【2015年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

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※キャスト

藪下依子 … 杏
谷口巧 … 長谷川博己

島田佳織 … 国仲涼子
鷲尾豊 … 中島裕翔
島田宗太郎 … 松尾諭

藪下小夜子 … 和久井映見

谷口留美 … 風吹ジュン
藪下俊雄 … 松重豊

※スタッフ

脚本 … 古沢良太
企画 … 成河広明
演出 … 武内英樹
プロデュース … 山崎淳子
音楽 … 住友紀人

主題歌 … chay「あなたに恋をしてみました」
  
公式サイト http://www.fujitv.co.jp/date/index.html

 

 

 

「Twitter」やってますです。
フォロー下さる方は、ほぼドラマ実況ツイート(ツイ多いっす)だという覚悟でお願いします

 
【デート~恋とはどんなものかしら~】 第1話 第2話 第3話 第4話


コメント

  1. 昼寝の時間 より:

    デート〜恋とはどんなものかしら〜 #04

    公式サイト 藪下依子(杏)と谷口巧(長谷川博己)は、クリスマスイブにデートをする

  2. かこ より:

    SECRET: 0
    PASS: 8f7db576fadcdb1735211664d8a0c82f
    もちろん読んでます、どころか、めっちゃ楽しみに読んでます!
    ほんとっこのドラマ、いいですねーー!!
    爆笑&ほろり&唸るで、忙しい忙しい
    今回は大満足の内容で、ふっと油断してたら予告で再爆笑。
    もう来週が待ち遠しすぎる!!
    来週もレビュー、楽しみにしてます〜

  3. かえる より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    もちろん読ませていただきましたよ~
    いつも楽しみにしていますが、今回は時間の経過が表現しがたいほど入り組んでいて、レビューも難しいのでは・・と思っていましたが、杞憂でしたね。再現性の高さにいつも驚いています。素晴らしいです~!
    今回の話、私も特に好きになりました。みんなの思いが伝わって、みんなみんな応援したくなるようなあったかいのに面白いドラマ、こんなのなかなかないです。
    友人に見るよう勧めたんですが、ここまでの話を要約して伝えるのにものすごく時間がかかりました・・;
    おかげで、来週から私の周囲の視聴率は上がりそうです♪笑

  4. kotako より:

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    読んでます、読んでます(*´∀`*)
    くうさんのレビュー、楽しみにしている一人です!
    昨日の夜中に見れましたーー。
    色々と録画が溜まっている中、疲れてる夜中に見たくなるのはコレです。
    見た後、楽しくなるので、ついつい先に見ちゃいます。

    巧と依子が、回を重ねる度に愛しく思えます。
    早く来週分が見たい!!

  5. デート〜恋とはどんなものかしら? 第4話 依子がコミックを分類・整理するとこうなった(笑)

     依子(杏)が巧(長谷川博己)の本棚のコミックを分類して整理するとこうなる(笑)

    ★ジャンル:植物
     「ベルサイユのばら」
     「ヤマトナデシコ七変化」
     「みかん絵日記」

    ★ジャンル:ナンセンス
     「天才バカボン」
     「バガボンド」

    ★数学
     「めぞん一刻」
     …

  6. -d- より:

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    デート面白いですねー!長文再度楽しみました♪
    季節外れのサンタ服を使い倒しきる上手さに呆れるわ~

  7. デート〜恋とはどんなものかしら〜 第4話

    「心が無いから結婚出来ない!?彼女を救う奇跡の贈り物!!」

    内容
    クリスマスイブ。
    依子(杏)と巧(長谷川博己)はデート。。。。
    だが、サンタクロース姿でやって来た依子に、困惑する巧。

    それは9日前のこと。依子から謝罪の電話があった巧。
    当然のように、言い合…

  8. ああ、これが・・・恋の魔法というものかしら(内田愛)

    「恋の魔法キターッ!」と叫ぶのか。 節分とバレンタテンデーの間にクリスマスイブを置くと言う姑息なカレンダーネタである。 クリスマスイブで誕生日まで三ヶ月を切るということは・・・ホワイトデーのあとの春爛漫かっ。 ウキウキしちゃうのかああああ。 まあ・・・いいけどね。 まあ・・・何度も言っていることです

  9. デート~恋とはどんなものかしら~「彼女が恋愛を出来ない訳、彼が高等遊民になった理由。」

    今回は、クリスマスイブのデート。あいかわらずの徹底した変人ぶりや、ズレ具合が可笑しかったけれど、巻き込まれつつ、いろんなことが明るみになる展開。「へ~っ」の連続でした現れた依子(杏)のサンタクロースに赤鼻スタイルもインパクト大だったけれど、日頃、出つけないので抵抗力がなく、巧(長谷川博己)が高熱を出し、自宅に送り届けた結果。巧の本棚を片付けはじめ、「『ベルサイユのばら』は植物ですか?」とか、…

  10. ゆう より:

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    今回ほんっとよかった。いつもいいけど今回の回はほんっと好きだー。
    くぅさんのレビューうんうんとうなづきながら読ませていただきました。
    就活面接で落とされ続けてたら心折れるのわかる。
    それでもひきこもりになってくれてよかったよ。それで命たったひと知ってるもの。
    自分の存在を否定されたような気持ちになるよね。落され続けると。甘えじゃない。繊細なんだと思う。

    留美さんの愛は覚悟の上だと思う。わかっててもできないことだと思う。
    あの兄妹が応援するのも留美さんがただ甘い親じゃないって知ってるから。
    依子の「これだ!」がよかったよね。何試してもこれだと思うものがなかった依子。
    心がないんじゃないってわかってくれた巧が「これ」でよかった。

    でも鷲尾くんが気になるな。あとうしろめたふぁーのかーちゃんだね。
    円周率の暗記はパパ@ちりとてちんネタ。松重さんと杏ちゃん似てますよね。
    CMにリアルパパが出てくるけれど渡辺謙さんより松重さんに似て見えます。
    なによりいいのは視聴後感がいいこと。あー楽しかったーで眠れること。
    古沢さんに「ありがとう」って言いたくなるドラマです。長くてごめん。

  11. デート~恋とはどんなものかしら~ 第4話

    依子(杏)と巧(長谷川博己)は、それぞれの親からの過干渉に閉口して、クリスマスにデートをすることになります。

    またしても依子・・・どこの情報だかわかりませんが、サンタのコスプレをしてやって来ましたw

    2人はカップルで賑わう商業施設を訪れますが、そこで巧は高熱を出してへたり込みます。

    その頃、巧の家では、留美(風吹ジュン)の美術教室の生徒や佳織(国仲涼子)、宗太郎(松尾諭)た…

  12. kyom より:

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    >こんな長いのに読んでる人いるんだろうか。
    もちろん読んでますよ~(^◇^)
    そして楽しませてもらってます。

    今週も面白かったです!
    毎週細かいところまでいろんなネタが入ってて、よく思いつくなぁと感心します。
    すごいです、古沢さん。

    巧の面接の時に何があったのか、依子の過去に何があったのか、これからまだまだありそうですね。

    鷲尾君はイケメンなのに残念なのは何故だろう(笑)
    巧役のハセヒロが可愛いです!

  13. デート~恋とはどんなものかしら~ #04

    『心が無いから結婚出来ない!?彼女を救う奇跡の贈り物!!』

  14. デート〜恋とはどんなものかしら〜第4話★サンタクロース

    デート〜恋とはどんなものかしら〜第4話
    クリスマス直前、俊雄(松重豊)からデートの予定がないのか心配された依子(杏)と、留美(風吹ジュン)が開くクリスマス会から逃れたい巧(長谷川博己)は、利害が一致しクリスマスイブにデートをすることに。そして当日、完璧なサンタのコスプレで現れた依子は巧と夜景を見に行く。だが、巧が風邪をひき、彼を家まで送った依子もクリスマス会に参加する。一方、依子にデートを…

  15. デート~恋とはどんなものかしら~ (第4話・2/9) 感想

    フジテレビ系『デート~恋とはどんなものかしら~』(公式)
    第4話『彼女が恋愛を出来ない訳、彼が高等遊民になった理由。』の感想。

    クリスマス直前、俊雄(松重豊)からデートの予定がないのか心配された依子(杏)と、留美(風吹ジュン)が開くクリスマス会から逃れたい巧(長谷川博己)は、利害が一致しクリスマスイブにデートをすることに。そして当日、完璧なサンタのコスプレで現れた依子は巧…

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