【 あすなろ三三七拍子 】 第1話 感想

この野郎…ふざけやがって。
なめんじゃないぞ。
こっちを向け!
聞こえないのか?
お前たちの大学の名前を呼んでるんだぞ。

見えないのか?
あの人が持ってる旗はお前らの学校の校旗なんだぞ。

 

あすなろ三三七拍子 第1話 

      あすなろop

 

簡単感想で。

これまた、世代や体験によって全く響くか響かないかというドラマが始まった。
今期は多いな~。 

ちょいちょい出てくるセリフ「ご時世や」

 

藤巻大介は、45歳の中年サラリーマン。

大学生の娘とパート主婦の妻の3人暮らし。
話し相手は犬の新之介。

娘と妻は仲が良く、金髪ピアスのチャラい彼氏の存在も父親である大介だけが
知らなかった始末。

会社では営業部から総務に飛ばされ、早稲田大学出身だと言うのに今だに
課長止まり。

書類に判子を押すだけの毎日で部下からも馬鹿にされ鳴かず飛ばず…。

 

そんな大介がある日、社長から呼び出される。

大学生として社長の母校である元世田谷商業大学…現・翌檜(あすなろ)大学の
応援団団長になれという「辞令」。

10年前に女子大と合併してから凋落の一途を辿っている母校の応援団を立て直せと言う。

 

君が翌檜大に入学し、応援団を立て直してくれた暁には必ずや社に戻すと約束する。
むろん、社内的には出向という形を取る。

あっ…う~ん…。
もちろん社長のお気持ちはじゅうぶんお察し申し上げます。
ですが、その…なぜ、私がそのような…。

君が適任だと思ったからだ。

 

見せられたリストラ名簿の先頭に名前が載っている大介。

 

これは、首の皮1枚ぎりぎりの温情だ。

エール物産「社是」復唱!

まず 汗をかけ!
汗が出なければ恥をかけ!
汗も 恥も かけないときは…

辞表をかけ……!

 

つまり、首だ。

 

支給された学ランは近所を歩くのが恥ずかしい。

着て行かないと怒られる。

 

君も これから 大学へ行き、恥ずかしい思いをすること、また、下を向いて泣きたくなる
ようなことあるだろう!
だが、学ランの襟がなぜそんなに高いのかお前は知っているか?

 

はあ…なぜでしょうか?

 

学ランを着て下を向けるか?

うつむかないようにするためだ!

 

こんなの知らなかったよ…(ホントなのか) 

ホントだとしたら、現在は高校の制服もほとんどがブレザー。
みんな下をうつむけるように出来ている。

これも「ご時世」だなぁ…と妙に納得してしまう。

 

入学式の 「新歓ステージ」のために派遣されてきた応援団OBの齊藤と山下。

背丈もビジュアルも全く違う反町さんとほんこんの並びがマンガみたいでおかしい。

 

ランニングとか河原で向こう岸に声が届くように叫ぶ練習とか……。

 

革靴と学ランでの無意味な ランニング。
無意味などう喝。
気合?
おす。 おす…?
無意味な掛け声。

 

それを見守る不気味な女子大生1人。

 

そう。無意味だよ。無意味なんだよね~。

思い出しちゃったよ。

今から数百年前……
私が入社した百貨店…つまりデパートには合宿研修なる物があって。

デパガになるっていうのに、芦屋の山の中で住宅街を掛け声かけながら走らされて、
湖の向こう側に聞こえるように大声で叫ぶ練習とかやらされて。 

5日間くらい
無意味に叫んだり走ったりする集団生活を送らされて。

ホント、無意味だったわ。
こっち戻ってきて、実技研修が始まった時に一番初めに言われたのが
「合宿研修で教えられた挨拶の仕方は全て忘れてください」

ええーーー!?

ってなったもん。
もちろん、実技研修で教わったのは、怒鳴ったり叫んだりしないエレガントな接客作法。
山奥に閉じ込められたあの5日間は一体何だったの……

けれども、入社後、折あるごとにあの研修が思い出されて。
あれに耐えたんだから、これくらい……と、よく自分自身を励ました。

そんな合宿研修もとっくの昔に廃止されて行われていないという。

「ご時世や」……。

 

しごきとか、強制的な挨拶とか、声出しとか…
そういう無意味さが人間を強くすることもある。

暑苦しいし、バカらしいし、ずっと楽に生きた方がいいに決まってるじゃん。

何かに拘る生き方…している人って、ほとんどいない今の日本。

 

雨の中で、誰も振り向いてくれない 「新歓ステージ」のエール。

 

この野郎…ふざけやがって。
なめんじゃないぞ。
こっちを向け!
聞こえないのか?
お前たちの大学の名前を呼んでるんだぞ。

見えないのか?
あの人が持ってる旗はお前らの学校の校旗なんだぞ。

 

虚しすぎるこのシーンにちょっとシンミリしてしまった。

Fラン大学とかね…たぶん母校に誇りとかないし、校旗なんかどうでもいい。
みんな自分のいる場所に誇りも拘りもない。

ご時世だよ。

 

別に、校内を竹刀持ってセンコーが歩いている時世を生きてきた人間が立派だと
いうわけじゃなくて。

彼らは彼らで、仕事先ではペコペコ頭下げて家族にも娘の彼氏にも面と向かっては
文句も言えなくて、若い部下にさえもへつらって…

そんな情けない生活を送っている。

 

そういう「ご時世」にちょっと風穴を開けてくれるドラマになると良いな…

そう思える初回だった。

 

キャストはみんなそれぞれ、ちょっとシュールな空気感がハマってる。
暑苦しいむさくるしい応援団に、不似合いな可愛いチアリーダー部。

高畑充希ちゃんのチア姿かわいい~~

 

音楽は『あまちゃん』の大友さん。
滑稽さも切なさも音楽が作っていく。

 

たぶん、解らない世代には解らないだろうな~…視聴率はさぞかし低かろう…

と、思いつつ、自分的には楽しかったよ。

この応援団を私は応援する

 


藤巻大介(柳葉敏郎)は、エール物産で総務部課長を務めるサラリーマン。  

ある休日、娘の美紀(飯豊まりえ)の恋人が遊びに来るとはしゃぐ妻の広子(菊池桃子)を見て、
1人面白くない大介。
家にやって来た保阪翔(風間俊介)の、金髪ピアス姿、そして敬語を使えずチャラチャラしている
様子に腹を立てる。  

とあるホテルで開かれている旧・世田谷商科大学応援団のOB会。
今はエール物産で社長をしている幹事長の荒川剛(西田敏行)をはじめとしたOBの齊藤裕一
(反町隆史)、山下正人(ほんこん)らは、10年前に女子大と合併して翌檜(あすなろ)大学と
名前を変えて以来、応援団が衰退の一途をたどっていることを嘆く。  

数日後、社長室に呼び出された大介。
荒川から、翌檜大学へ社会人入学をして廃部寸前の応援団を立て直してほしいと頼み込まれる。
荒川は大介がリストラ候補であることを告げ、強引に了承させる。  

3月。翌檜大学の応援団室へ向かった大介は、チアリーダー部部長の葉月玲奈(高畑充希)と
出会い、新歓ステージの存在を教えられる。
そこへ齊藤と山下がやって来て、大介を河原へ連れ出す。多摩川の土手を学ラン姿で走らされ、応援団の特訓を受ける大介。その様子を遠くから観察している謎の女子大生・松下沙耶(剛力彩芽)。  

翌檜大学入学式。
講堂では新歓ステージが始まり、大介は新入生勧誘のため必死で覚えたてのエールを
披露するが・・・。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2014年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

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※キャスト

藤巻大介 … 柳葉敏郎
松下沙耶 … 剛力彩芽
保阪翔 … 風間俊介
葉月玲奈 … 高畑充希
野口健太 … 大内田悠平
藤巻美紀 … 飯豊まりえ

藤巻広子 … 菊池桃子
原智子 … 森口瑤子
山下正人 … ほんこん
齊藤裕一 … 反町隆史

権田 … ミッキー・カーチス

荒川剛 … 西田敏行

 

※スタッフ

脚本 … 吉田紀子、ふじきみつ彦
演出 … 土方政人、植田泰史
プロデューサー … 小林宙
音楽 … 大友良英

原作 … 重松清「あすなろ三三七拍子」
主題歌 … スピッツ「愛のことば-2014mix-」
  
公式サイト http://www.fujitv.co.jp/asunaro337/

 【 あすなろ三三七拍子 】第1話


コメント

  1. くう より:

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    >噛み合ない登場人物たちが、
    噛み合っていくんだろうな〜 
    という予定調和的な話になりそうな所が、
    なんだか安心で、観てしまいそうです。

    おお…私はキャストには特に文句なしな状態なので、純粋に楽しいわ~(#^.^#)
    みんな、とりあえず「変な大人」。
    変な大人がそれなりに何か探している姿には笑えるし泣けてくるよ。

    >今クールは、肩凝らないのが良いの、私^^;。

    夏だしね~!
    かるーーく見れるものはありがたいよね。

  2. 紫花浜匙 より:

    SECRET: 0
    PASS: 984e0037bc680040c3165a33fc64e091
    柳葉敏郎の、いつも似たり寄ったりの演技が嫌い。
    反町隆史も生理的に嫌い。

    だから見ないだろうな〜、と思っていたのに、

    噛み合ない登場人物たちが、
    噛み合っていくんだろうな〜 
    という予定調和的な話になりそうな所が、
    なんだか安心で、観てしまいそうです。

    今クールは、肩凝らないのが良いの、私^^;。

  3. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >それでいいのですか?と言いたい時があります。
    私も親、特に母親のアメリカの豊かさ・憧れというものは わかりません。

    それが充分に想像できる内容ならばいいのです。
    伝わるならば想像で補えるのです。
    …と、私は信じておりまする^^

  4. tomohiro より:

    SECRET: 0
    PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
    >これまた、世代や体験によって全く響くか響かないかというドラマが始まった。
     管理人さんが言うように、世代でぴんとこないことって
    たくさんありますよね。
    それでいいのですか?と言いたい時があります。
    私も親、特に母親のアメリカの豊かさ・憧れというものは
    わかりません。
    それでも乗り越えていくのが正しいのかもしれませんね。

  5. あすなろ三三七拍子 第一話

    「重松清の名作ついにドラマ化!中年会社員応援団に出向の悲劇」

    内容
    藤巻大介(柳葉敏郎)は、バーベキューの準備をしていた。
    天気を心配する妻・広子(菊池桃子)の言葉をきかずに。
    そして、家のチャイムが鳴る。
    ついに娘・美紀(飯豊まりえ)の恋人・保阪翔(風…

  6. あすなろ三三七拍子「重松清の名作ついにドラマ化!中年会社員応援団に出向の悲劇」

    かなり、意表をつく設定と展開。原作は、てっきりコミックかと思ってたら、重松清の同名小説、だったのですね。まずは主役とはいえ、ギバちゃん、理不尽と無理難題の嵐、身体を張っての大熱演、お疲れ様でした。あまりの強引さと、お気の毒さに、ちょっと引いたり、キャスティングの贅沢さに、(妻の菊池桃子と、チアリーダー部部長の高畑充希に、ををっ!)魅力を感じたり、かなり微妙な設定で剛力ちゃんの登場。ちょっと …

  7. NelsonTouchBlog より:

    HERO 2014&あすなろ三三七拍子&東京スカーレット一話感想

    ■HERO 2014一話
    松たか子がいないHERO。北川景子が、雨宮(松たか子)と全然違うキャラづけなので特に気にならなかった。内容も、いつものとうりの雰囲気だったのでよかったです。
    途中から事件の全容は読めてしまったけど、キャラの動きで飽きることはなかった。安定してたと思う。
    ただ、今までのHEROがあるからこそ、新たにスタートするのであれば、新しい試みみたいなものも期待したいです。

  8. あすなろ三三七拍子 第1話★音楽・大友良英。剛力は…

    あすなろ三三七拍子 第1話

    河原の場面とかで、なんか懐かしい雰囲気のBGM・・・・
    これは絶対に・・・。
    『あまちゃん』
    エンドロールで「音楽・大友良英」
    やっぱりそうか・・・。

    このドラマに大友良英さんはもったいないくらいやね・・・。
    −◆−
    商社勤務のサラリーマン藤巻大介(柳葉敏郎)50歳。リストラの代わりに、社長・荒川(西田敏行)が所属していた翌檜大学応援団の存…

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