NHK朝ドラ【 ちりとてちん 】(2013年・再放送) 第126・127回 感想

「製作所をたたもうと思っているんだ」という秀臣(川平慈英)の発言を聞いた
小次郎(京本政樹)は、和田家に戻り喜代美(貫地谷しほり)たちにその言葉を伝える。
製作所がそこまで追いつめられていたことに、正典(松重豊)をはじめ一同は驚きを隠せない。
その夜遅く、清海(佐藤めぐみ)が取り乱して和田家の戸をたたく。
秀臣の行方がわからなくなったのだ。
それを聞いた小梅(江波杏子)は、突然、工房へ向かう。(126話)

塗りばし工房で秀臣(川平慈英)は、若き日のことを話し始める。
自分が正典(松重豊)にとてもかなわないと思ったこと、代わりに製作所を大きくすることで
若狭塗りばしを守ろうと決意したこと。
正典に何度も合併をよびかけたのも、塗りばしを守ろうとしてのことだった。
しかし、すべての告白が終わった後も、小梅(江波杏子)は秀臣を許そうとしない。
そんな中、喜代美(貫地谷しほり)だけが、その理由に気づく。(127話)

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「ちりとてちん」第126・127話「聞かぬは一生の箸」
     

      ちりとてちん感想

 

※「ちりとてちん」は、2007年10月期のNHK連続テレビ小説です。
当方は当時の放送をオンタイムで見ているので感想は恐らく回顧目線になりがちです。
ご了承のうえ、ご覧くださいませ。

※レビューでは先のネタバレは控えるよう努力します。
※レビューの更新はイレギュラーで…。書けたり書けなかったりしています。

※再放送時間は月~土・午前7時15分からNHKBSプレミアムにて。

 

今週、全然書けなくて間空いてしまいまして…。・泣
また時間のある時に埋めようと思っとります。

ざっと書いておきますと、木曽山くんが修行に戻ってまいりました徒然亭。
相変わらず「鉄砲勇助」修行を続けておりますが、草々さんに言われた「楽しい嘘」
を心がけるようになったようで。

一方、喜代美は落語会の仕事が小浜に入り、草々さんから行ってこいと言われて
地元に戻ります。
そこで、エーコと本音で話そうと努力する喜代美ですが、エーコの方は製作所の
後を継ぐために父・秀臣さんに言われた通り見合いしようとしているのでした。

エーコの母・静さんから、エーコはビーコの本当の親友になろうとしていたと
聞かされた喜代美は、初めて「良い子」でいなければならなかったエーコの
心の傷を知るのです。

 

長くなるので簡単に…できるかなぁ…。 

 

秀臣さんが製作所を畳むと言っていたと小次郎さんから聞いて驚く和田家。

ほな、エーコがお婿さんもろて跡継ぐいう話は…。

と言う話も知らなかったみんなは再び驚き。

それな、直前になって秀臣さんの方から断ったらしいで。

そこまではできんて思い直したんやろねえ。

製作所が大変やとは聞いとったけど、そこまで追い詰められとったんか…。

小梅さんの複雑な表情。

 

この日、秀臣さんは入院中の静さんを見舞ってエーコの見合いを中止したと伝えます。
娘の事にはホッとする静さんですが、夫の様子がおかしい事は気になるのでした。

 

夜中になって、エーコが和田家を訪ねてきます。
…訪ねてくるというか、もう必死の形相で…。

 

お父さん来てませんか?

え?

お母さんからお父さんの様子が変やったて電話があってぇ。
気になって捜したんですけど家にも製作所にもおらんでぇ!
ほんで…ほんで……。

エーコにとりあえず落ち着くように言うて、家族を起こす糸子さん。

 

ほんな…皆さん起こさんでも…。

不安な時は役に立たんもんでもぎょうさん居った方が気持ちが楽になる。

 

ぎょうさん居ってもイヤな顔する人間や野次馬的な人間ばかりだったらホンマに役に
立ちませんけど、和田家はそういう家ではないですもんね。

ましてや、秀臣さんの事なら……他人とは言えないですし…。

 

事情を聞いて「ほんでエーコさん、何でここ来たん?」と、訊く正平。

お母さんがそね言うたでぇ。
「きっとここや」って。

すると、小梅さんが先頭に立って歩き出します。

こっちや。

そこは、工房でした。

 

小梅さんの言う通り、秀臣さんは工房の机の前にポーッと座っていたのでした。

 

不法侵入で警察、連れていかれますで。

いっそその方がましかもしれません。

自嘲気味の笑い…。

 

お父さん、大丈夫なん?
製作所畳むやなんて、そんな事考えんといて。
私がどうにかするやな。

お前にそんな事言わせたくないから畳むんだ。

 

…ですね…。
娘にお見合いを強いて続ける製作所に意味があるのか考えた結果ですもんね。
ずっと家族のために良い子でいたエーコを思いやっての父親としての決断です。

ここで奈津子さんが突然のKY発言。

よかったら、お話聞かせて頂けませんか?
製作所を畳むと決意した今、社長さんにとって若狭塗箸とは何なのか。

なっちゃん!こんな時、取材やめ!

止める小次郎さん。珍しく常識的発言。

しかし、小梅さんは聞きたいと言います。

聞きそびれたままでしたからなあ。
結局、あんたにとって伝統若狭塗箸は何やったんか。

 

かつて

「僕はもう塗箸をやめます。
こんなもので食べてはいけない。」

そう言ってここを出ていき、小梅さんを…正太郎さんを悲しませた弟子。

秀臣さんは子どもの頃、ナイフとフォークで暮らしていたので箸が上手く使えない事が
コンプレックスだったのだと話し出します。

 

お金持ちのお子さんなんですね?

いやいやいやいや。

父の祖国の文化に合わせて暮らしていたんです。

ああ!それでジョン・トラボルタみたい男前なんやねえ!

うちはもうジェームス・ディーンが来たか思いましたで。

何を言うとんど!

…え~話は続きます。 

お父さんは国に帰ってしまい、お母さんは日本人と再婚したらしいです。
けれども、秀臣さんは家族に馴染めなかった。
子ども心に、それは箸が使えないからだと思うようになったそうで。

箸をいくつも試して、やっと馴染んだのが若狭塗箸だったのです。
そして、箸が使えるようになった時にやっと家族になれた気がしたと語る秀臣さん。

 

私にとって箸は家族の象徴でした。

伝統若狭塗箸の職人になりたくて私は小浜に来ました。
温かく迎えてくれて本当に嬉しかったです。

 

じっと秀臣さんを見る小梅さん。

しかし、ある時、中学生だった正典さんが工房に来て遊びで塗り箸を作って行った。
それを見て秀臣さんは自分の物とは違う事に気付いたのだと言います。

それは先代…いや、もっと前から脈々と受け継がれている箸で、私が作るものとは
全く違いました。

正平の箸を見た時に、秀臣さんはそれを思い出したのです。

「あの時と同じだ」

は、そういう意味だったんですね。

秀臣さんは、自分の中の「違うもの」に気付き始め、やはり自分は余所者なのだと
感じ始めたのでした。

異国の血が入った自分がコンプレックスだった…どうにかして「仲間」になりたかった。
少年時代のそんな思いが大人になってもずっと続いている。

純正日本人の自分にはその感覚は解りませんが、人と違う自分に気付いた孤独…
というのは理解できる気がします。

人間って、いつもいつまでもこうやって「子どもの自分」を引きずるんですよね。
一緒でいたい…この思いは家族という集団から始まるものなのかも知れません。

 

そんな頃、秀臣さんは取引先の娘さんだった静さんと出会います。

結婚して友春が生まれて。私は幸せでした。
けれど、同時に不安になりました。

自分は伝統若狭塗箸の職人として本当にやっていけるんだろうか。
家族をちゃんと食べさせていけるんだろうかと。
だからといって諦めるのも嫌でした。
私は塗箸職人になりたくてこの小浜の人間になった訳ですから。

それを諦めさせてくれたのは…。
正典くん。
やっぱり、あなたでしたよ。

 

それは、正典さんが糸子さんと一緒になるために家を出て行った事。

秀臣さんは必死に塗り箸修行しましたが、師匠である正太郎さんから
良い言葉は聞けなかった。

そして、夜遅くまで制作していた日、正太郎さんが「正典か!」と叫びながら
工房に飛び込んできたのでした。

正太郎さんは秀臣さんを見て、ガッカリした顔をしたのでした。
いや…決して正太郎さんに悪気があったわけではなく…秀臣さんにそう見えたのかも
知れません。

とにかく、秀臣さんは知ったのです。
自分では息子の代わりになれない事。
自分は「余所者」であること。

それが決定的な出来事となって、私は師匠のもとから去りました。

 

和田家を出た秀臣さんは、静さんの実家の木地工場から事業を拡大していきました。

 

それで着々と成功を収めはったんですね?

経営が軌道に乗るに従って職人をやってる時には見えなかったものが次第に見えてきました。

それは?

伝統は技術を受け継ぐ者だけがいても伝わってはいかない。
それを確実に次代に手渡していく役割を担う者がいなければ。

そして、やっと分かったんです。
それこそが製作所の、私の仕事だと。

小浜は塗箸の町。
製作所を大きくする事によってそれを全国にアピールできる。
それは伝統若狭塗箸を守る事にほかならない。
そうして先代のお役に立てる。
そう思ったんです。

 

合併の話も全てそこから。
秀臣さんの心にはいつも若狭塗箸に対する愛があったわけです。

それを初めて知る正典さん。

母ちゃん、もうええやな。
秀臣さんはずっと伝統若狭塗箸を大事に思い続けてくれてた事は分かったんやさけ。

と、小梅さんに言う小次郎さん。

あかん。

お母さん。

許したりいな…。

…嫌や。
嫌や!
秀臣が正太郎ちゃんを傷つけた事は変わりない!

頑なな小梅さん…。
秀臣さんは許してほしくて打ち明けたわけではないから。と笑うのでした。

 

喜代美がそこで恐る恐る発言…。

おじいちゃんが怒っとったんは、塗箸捨てたとかほんな事やなくて…。
エーコのお父さんが他人みたいな顔して出ていってしもたからと違う?

昔、草若師匠が草々にいさんの事破門にした事があんねん。
師匠はほんまの子供や思て育てとったのに草々にいさんがいつまでも他人みたいに
遠慮しとった事が何よりも許せんかったって。

おじいちゃんもほうやったんと違うかな思て。

 

小梅さんは言うのでした。

正太郎ちゃんは分かっとった。
あんたが正典に対して劣等感持っとる事も。
出ていく時の捨てゼリフもただの強がりやいう事、気がついとった。
ほやからこそ傷ついたんや。

ほやからこそ…。
許せんのや。

涙を流す小梅さん…。

 

お母さん…。
お母さんもほうやったんですね。
秀臣さんの事、大事な大事な息子や思とったんですね。

 

小梅さんは、大きな大事な大事な息子…秀臣さんを抱きしめます。

初めて「ごめんな…」が出たのでした。

小梅さんかて、ずっとこの日を待っていたのでしょう。
家を捨てて出て行った息子が家に戻ってきた日。

秀臣さんは正太郎さんと小梅さんにとって「余所者」なんかではなかったのです。

 

秀臣さん。
製作所畳むいうの、ちょっと待ってくれんこ?

はい?

いや、いつまでも未熟な職人のわしに言われても心細いかもしれんけんど…。
ほんでも何かできる事があるかも分からんでえ。

 

弟弟子である正典さんと秀臣さんの和解の時にもなりました。

長い長い間凍っていた関係がやっと解け始めたのでした。

 

しかし…。

外で待っているエーコに喜代美は小浜で行われる落語会のチラシを渡します。

よかったら見に来て。
今すぐは無理かもしれんけど…。
けど、私…エーコとちゃんと分かり合いたいでえ。
ほんまの友達になりたいでえ。

チラシを受け取ってしばらく見つめて…

エーコは喜代美にそれを返します。

悪いけど…私はまだそんな気になれんさけ。

 

こちらの関係は、まだまだやり直すのに時間が要りそうです。
けれども、エーコの表情はだいぶ柔らかくなっていました。

拒否しているわけではない…そう思います。

 

喜代美が徒然亭に戻ると、なんや草々さんが縁側で倒れていました。

着ているスーツがボロボロ…。

これは、木曽山君が「算段の四草」の口車に乗って、クリーニング代をせしめるために
洗濯機で洗ってしまったからなのでした。 
(せめてクリーニング洗剤でネットに入れて洗おう… )

そこへ草原にいさんと四草がやってきます。

まだそないしてんのか。

そうかてぇ~おかみさんにもろたスーツですよ。

ほれ!

…と、持っていた手提げ袋を差し出す草原兄さん。

中に入っていたのは、スーツ

 

今のお前にぴったりのはずやで。

ええか草々。
お前はもう弟子取って師匠になったんや。
師匠の事もおかみさんの事も、そら忘れたらあかん。
けど、思い出にしがみついててもあかん。
着るもんも身の振る舞いも、これからは色んな意味で身の丈に合うたもん
身につけていかなあかんで。

 

ここでいつまでもイジけていないで、きちんと兄さんの言う事を心に刻んで反省するのが
草々さんの礼儀正しくていいところ。

伝統芸能。目上の人の言う事は重みがあります。

 

過去を脱ぎ捨てて前を向く。
脱ぎ捨てるといっても冷たく切り捨てるのではなく、過去は過去として
きちんと心に刻んだまま、より良い未来のために前を向くのです。

おかみさんに貰ったスーツは、今の自分にはもう合わない。
けれども、そのスーツがあったから今がある。

小浜での若狭塗箸と製作所の秀臣さんの話を草々さんのスーツの話に切り替えて
綺麗に落とした第22週でした。

 

…で、どこまでがお前の算段やったんや?

と、四草に尋ねる草原にいさん。

何がですか?

とぼけんな!
草々に師匠の自覚持ってもらいとうて木曽山に洗濯さしたんやろ?

さあ。どうでしょうね。

まっ、どっちゃでもええけど…。
スーツ代、半分払えよ。

…は!?

そこまでは算段してへんかったか。ニヤリ。

 

算段したつもりが兄さんには勝てへん…。 
ここまで綺麗に落ちました。

 

さて…正平が。

やっぱり僕…塗箸は継げん。

 

と、正典さんに宣言し…。
徒然亭では機嫌よう舌が嘘で回る木曽山くんに草々師匠夫妻が慣れてきたところで…。

 

来週もまた、お付き合いください。

 

※コメントレス、溜まっている状態で申し訳ありません!

 

※告知~~!!
4月からこの「ちりとてちん」のBS再放送枠で「カーネーション」の再放送が
底抜けに~決定いたしました~~~!!

 

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※キャスト

和田喜代美→青木喜代美/徒然亭若狭 … 貫地谷しほり(少女時代:桑島真里乃)

徒然亭草若(三代目) … 渡瀬恒彦
徒然亭草々 … 青木崇高(少年時代:森田直幸)
徒然亭草原 … 桂吉弥
徒然亭小草若 … 茂山宗彦(少年時代:榎田貴斗・森川翔太)
徒然亭四草 … 加藤虎ノ介
木曽山勇助/徒然亭小草々 … 辻本祐樹
吉田志保 … 藤吉久美子

和田糸子 … 和久井映見
和田正典 … 松重豊
和田小梅 … 江波杏子
和田小次郎 … 京本政樹
和田正平 … 橋本淳(少年時代:星野亜門)

和田正太郎 … 米倉斉加年

和田清海 … 佐藤めぐみ(少女時代:佐藤初)
和田友春 … 友井雄亮(少年時代:小阪風真)
和田秀臣 … 川平慈英
和田静 … 生稲晃子
野口順子 … 宮嶋麻衣(少女時代:伊藤千由李)
野口幸助 … 久ヶ沢徹
野口松江 … 松永玲子
野口春平 … 斉藤勇人/新岡澪
野口順平 … 斉藤隼人/新岡塁

熊五郎 … 木村祐一
咲 … 田実陽子
磯七 … 松尾貴史
菊江 … キムラ緑子
徳さん … 鍋島浩
お花 … 新海なつ
緒方奈津子 … 原沙知絵
原田緑 … 押元奈緒子

鞍馬太郎 … 竜雷太
万葉亭柳眉 … 桂よね吉
土佐屋尊建 … 波岡一喜
万葉亭柳宝 … 林家染丸
土佐屋尊徳 … 芝本正
柳宝の弟子 … 林家染左、林家染吉
烏山 … チョップリン西野
原田颯太 … 中村大輝(少年時代:河合紫雲)

音大の教授 … キダ・タロー
あわれの田中 … 徳井優
横山たかし・ひろし … 本人
五木ひろし … 本人
ニュースキャスター … 浅越ゴエ

竹谷修 … 渡辺正行
堀田由美子 … 和田はるか
高島恵 … 中井飛香
北川沙織 … 村上佳子

 

語り – 上沼恵美子

 

※スタッフ

脚本 … 藤本有紀
演出 … 伊勢田雅也、勝田夏子、井上剛、菓子浩、三鬼一希、吉田努、櫻井壮一
制作統括 … 遠藤理史
音楽 … 佐橋俊彦

テーマ曲・ピアノ演奏 … 松下奈緒

 

 

 【ちりとてちん】第1週~第3週、
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92・93 94・95・96 97
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