NHK朝ドラ【ちりとてちん】(2013年・再放送) 第97回 感想

草々(青木崇高)の落語は終わったが、いまだ五木ひろし(五木ひろし)は姿を現さない。
喜代美(貫地谷しほり)はあせりつつも、五木がくるまで落語を引き延ばそうとする。
しかし、時間は刻々と過ぎ、ついに落語はサゲを迎えてしまう。
なんとかして時間をかせごうと、喜代美は落語を創作して続けるが、ついにネタがつきてしまう。
みんなに謝りながら泣きだしてしまう喜代美を見て、突然正典が立ち上がる。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「ちりとてちん」第97話「子はタフガイ」
     

      ちりとてちん感想

 

※「ちりとてちん」は、2007年10月期のNHK連続テレビ小説です。
当方は当時の放送をオンタイムで見ているので感想は恐らく回顧目線になりがちです。
ご了承のうえ、ご覧くださいませ。

※レビューでは先のネタバレは控えるよう努力します。
※レビューの更新はイレギュラーで…。書けたり書けなかったりしています。

※再放送時間は月~土・午前7時15分からNHKBSプレミアムにて。

 

「天災じゃ!お分かりかな?」
「そんなもん分かるかい!」。
「天やったらけんかのしようがないやろ。すなわちこれを『天の災い』天災っちゅうんじゃ」…

 

高座で「天災」をやっている時、まさに喜代美に天災が降りかかっておりました。
喜代美の高座が終わったと同時に現れるはずだった五木ひろしが来てくれないのです。

それでも、動揺は顔に出さんと、ちゃんと高座に上がって落語をしている…。
喜代美…いや、若狭はプロになったんやなぁ…と感心するところ。

 

ああ!…もうサゲが来てしもた。

「うちは 、先妻でもめてんねや」

カセットのスイッチを入れる草々にいさん。

ドドン!

 

「何をもめてんねん!」
「何が?」
「そやさかい『先妻でもめる』て何をもめてんねん」

 

おい…!

追い出し太鼓を鳴らした(この場合は「流した」ですが~)のに、話をいきなり続ける若狭に
ビックリして声をかける草々さん。

 

「何をもめてんねんて……それは…」
…その……。

でぇぇぇ……
何か考えて喋っているわけではなく、本当にいきなり続け始めたらしいです。
行き当たりばったりすぎ。 

ひろしが来るまで「天災」を引き延ばそうっちゅうわけですな。
しかし、それは相当話術のあるプロにだって難しいでしょう。

 

「わしは自力で立派な塗箸職人になりたいねんけども嫁はんが反対すんねや」
「何や『大きい会社の世話になれ』言うて」
「嫁はんが反対すると思うさけ腹立つねん。天が反対したと思たら腹立たんやろ」
「いや、それは腹立つで!」

ちょっと笑いが起きる…中で、目を丸くする糸子さんと正典さん。

そして、グダグダになりすぎたあげくバッっと突然頭を下げる喜代美。

 

お父ちゃんお母ちゃん、ごめん!
五木ひろしは来んの!

せっかく歌ってもらおう思たのに…。
お母ちゃんの一番好きな「ふるさと」歌ってもらおう思たのに…。
仲直りしてもらおう思たのに…。
ごめんなさいごめんなさい!
ごめんなさい!

 

驚いて声もかけられない糸子さん。

その時、急に歌声が流れ始めたのです。

祭りも近いと 汽笛は呼ぶがぁ~♪~

 

お父ちゃんの。

喜代美が生まれたあの大晦日。
分娩室の外に思い切り響いていたおとうちゃんの「ふるさと」。

 

2回目やな。

喜代美と草々さんの夫婦落語会が終わってから、縁側に並んで話す夫婦。

 

お父ちゃんが…五木ひろしの代わりに「ふるさと」歌うてくれるの。
おおきに。

お前のためやない。
喜代美のためや。

分かっとる!ほやさけ余計に嬉しいんや。

 

座敷では、みんなで「ふるさと」の大合唱。

そんな中、ひろしの電話を受ける喜代美。

 

あっ、五木さん!

それがね、やっぱり今日行けそうもないんですよ。
でも、上手くいったでしょう?

え?

あっごめん!電波が…。

 

電話は切れてしまいました。

でも、じつはひろしは家の外から電話を掛けていたのですな。

 

歌わないんですか?

と、驚くマネージャー。

今出てったらやぼというもんだよ。

 

「ふるさと」大合唱の中、正典さんは糸子さんにしみじみと語ります。

 

あん時、お前のとこ行かんとおやじのもとで修業積んどったらもうちょっとましな箸が
作れたかもしれんの。
ほんでも、やっぱりお前を失わんでよかったと思とる。

お父ちゃん…。

帰ってきてけえ。
お前がおらんとわしの塗箸は研いでも研いでも輝かんのや。

 

こうして若夫婦落語会が熟年夫婦に過去を思い出させると言う素晴らしい仕事を成し遂げたのに、
当の喜代美は結果が気に入らなかったようでえ。

 

結局お父ちゃんに助けられたら世話ないわ。
やっぱり私は高校の時と何も変わっとらん。
脇役のビーコや。

 

不満顔の喜代美にズバリと言う順ちゃん。

 

あんた、いまだに主役になるいうのはステージの真ん中に立ってスポットライト浴びる事やと
思とるんけ?

あのついたての向こうの見えんとこで草々さんのために三味線弾いとるあんたも、お父さんと
お母さんのために変な落語やっとるあんたも、ものすごい輝いとった!

人にライト当てるいうのは素敵な仕事やな!

 

順ちゃん……。

そうなんですよね。
喜代美がしてきた人生はずっと、影で人を支えて来ている事で。

それって、素敵な事なんですよ。

映画やドラマかて主役主役と主役ばかりが持ち上げられますが、脇役がいなければ
主役もできないわけで。

脇役が素晴らしいほど作品は輝く。
喜代美の周りが輝いているのも喜代美の功績なわけです。

その輝かせている本人がこんなにも不満だというのは寂しいことで。

輝かせている喜代美だって、こんなに輝いているのにね。

わたしの人生の中ではわたしが主人公~~♪~

って、さだまさしも言うとるで。 

 

お前やったんやな。

お父さんとお母さんを結び付けてるもんは、お前やったんやなあて。

 

落ち着いてから、しみじみとそう言う草々さんでした。

子はかすがい…。

塗箸、手紙、「ふるさと」、五木ひろし…

正典さんと糸子さんを結びつけ、喜代美が2人を家族にした。

和田家を結び付け作って来たものが総結集した週でありました。

脇役どころか…お父ちゃんとお母ちゃんの中では喜代美は人生のど真ん中。[emoji:i-179]

 

小次郎おじちゃんは奈津子さんにプロポーズ。
喜代美と青木一くんは、やっと入籍してほんまもんの夫婦に。

…と、めでたい事が続く一方……。

 

いつも穏やかで物わかり良すぎて優しすぎて……
そんな正平が夢を断念するシーンは引き裂かれるようでした。

留学のパンフレットを泣きながら破り捨てる正平。

正典さんと糸子さんの夫婦喧嘩の元になったのがこれだと思えば、余計に
心が痛かったでしょう。かわいそうに…。

しかし、お金はポッと出て来るもんではない。
あきらめねばならないモンも人生にはたくさんあります。

ポッとお金が出てくるドラマも、お金はどうなったのか皆目わからないまま夢に向かって
なぜか突き進んでいるドラマも世の中にはありますが…

その辺、このドラマはキッチリしているのでした。

 

では、あきらめたらどうするんだろう。

 

あきらめたら挫折の人生を抱えて暗く生きていくのではなく、他の道を探して努力する。

他の道に希望を見つけて頑張る。

 

言うはやすく行うは難しということで…。

この先の正平の人生を考えると…今は見守るしかないのです。

 

そして、もう1人……。

入籍してラブラブな喜代美とは正反対の何や暗い顔で海岸に佇む女が1人。

 

エーコです。

この顔付きは、明らかに以前の天然でニコニコした何の悪気もない女とは違いますな。
(まぁ…いわゆる…他の役のサトメグの顔です )

 

来週もまたお付き合いくださいませ。

 

※告知~~!!
4月からこの「ちりとてちん」のBS再放送枠で「カーネーション」の再放送が
底抜けに~決定いたしました~~~!!

 

よろしければ→【2014年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

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※キャスト

和田喜代美→青木喜代美/徒然亭若狭 … 貫地谷しほり(少女時代:桑島真里乃)

徒然亭草若(三代目) … 渡瀬恒彦
徒然亭草々 … 青木崇高(少年時代:森田直幸)
徒然亭草原 … 桂吉弥
徒然亭小草若 … 茂山宗彦(少年時代:榎田貴斗・森川翔太)
徒然亭四草 … 加藤虎ノ介
木曽山勇助/徒然亭小草々 … 辻本祐樹
吉田志保 … 藤吉久美子

和田糸子 … 和久井映見
和田正典 … 松重豊
和田小梅 … 江波杏子
和田小次郎 … 京本政樹
和田正平 … 橋本淳(少年時代:星野亜門)

和田正太郎 … 米倉斉加年

和田清海 … 佐藤めぐみ(少女時代:佐藤初)
和田友春 … 友井雄亮(少年時代:小阪風真)
和田秀臣 … 川平慈英
和田静 … 生稲晃子
野口順子 … 宮嶋麻衣(少女時代:伊藤千由李)
野口幸助 … 久ヶ沢徹
野口松江 … 松永玲子
野口春平 … 斉藤勇人/新岡澪
野口順平 … 斉藤隼人/新岡塁

熊五郎 … 木村祐一
咲 … 田実陽子
磯七 … 松尾貴史
菊江 … キムラ緑子
徳さん … 鍋島浩
お花 … 新海なつ
緒方奈津子 … 原沙知絵
原田緑 … 押元奈緒子

鞍馬太郎 … 竜雷太
万葉亭柳眉 … 桂よね吉
土佐屋尊建 … 波岡一喜
万葉亭柳宝 … 林家染丸
土佐屋尊徳 … 芝本正
柳宝の弟子 … 林家染左、林家染吉
烏山 … チョップリン西野
原田颯太 … 中村大輝(少年時代:河合紫雲)

音大の教授 … キダ・タロー
あわれの田中 … 徳井優
横山たかし・ひろし … 本人
五木ひろし … 本人
ニュースキャスター … 浅越ゴエ

竹谷修 … 渡辺正行
堀田由美子 … 和田はるか
高島恵 … 中井飛香
北川沙織 … 村上佳子

 

語り – 上沼恵美子

 

※スタッフ

脚本 … 藤本有紀
演出 … 伊勢田雅也、勝田夏子、井上剛、菓子浩、三鬼一希、吉田努、櫻井壮一
制作統括 … 遠藤理史
音楽 … 佐橋俊彦

テーマ曲・ピアノ演奏 … 松下奈緒

 

 

 【ちりとてちん】第1週~第3週、
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コメント

  1. くう より:

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    >「立ち切れ線香」とリンクする形で描かれる父と母のなれそめと結婚、そして喜代美の誕生。

    ホントにねぇ…どのエピもキャラもきちんと落語と繋げてくる。
    膨大な量の資料を見て研究してキャラ付けとエピ作りをしたんだろうね。
    藤本さん、凄すぎる!

    >(一緒に見ていた夫が京本政樹の高校生は無理あるだろ!って言ってたけど(笑))

    いやいや…井之頭五郎20歳にもなかなか無理が……( ̄∇ ̄;)

    >ほんとにね・・・いつもは穏やかで明るくてしっかりモノの正平が顔をゆがめパンフレットを破る姿には苦しくなった。
    でも、生きていたらそういうこともある。

    生きていたらこういう事もある…の中で、ちゃんとやっていくのがこのドラマの良い所だよね。
    急にお金が降ってきて留学できることになったり、そういう甘い展開はないんだもんね。
    正平、好きだから頑張ってほしいわ。
    ブラックエーコの今後も楽しみ。

    おらも、ええ感じに忘れてるからさ( ̄∇ ̄;)
    初見の楽しさだよ(爆

  2. きこり より:

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    いや~いい土曜日だったね。
    「立ち切れ線香」とリンクする形で描かれる父と母のなれそめと結婚、そして喜代美の誕生。(一緒に見ていた夫が京本政樹の高校生は無理あるだろ!って言ってたけど(笑))
    和田家の方はハッピーエンドで良かった。
    >そんな正平が夢を断念するシーンは引き裂かれるようでした。
    ほんとにね・・・いつもは穏やかで明るくてしっかりモノの正平が顔をゆがめパンフレットを破る姿には苦しくなった。
    でも、生きていたらそういうこともある。
    その試練にこれから立ち向かっていくんだろうな。
    さて、今週はブラックA子降臨。
    って、前に見たはずなのに全く思いださない・・( ̄▼ ̄;)
    新鮮なアレで見ているよ~

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