【七つの会議】NHK土曜ドラマ 第1話 初回感想

会社というのは生き物だ。
本音と建て前、正論と欲望あらゆるエゴを照らし合わせながら少しでも
前へ進もうとする。

この生き物に隅々まで血を巡らせるための呼吸運動、それが「会議」だ。

組織は会議によって活性化され、分化され、ろ過され、凝縮され、
新たな地平に踏み出そうとする。

ある日、突然東京建電を襲った嵐。

それは、既に半年前に始まっていた。
あの会議の時から。

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七つの会議 第1話

   NHKドラマ版『七つの会議』感想

 

原島万二は、中堅電機メーカー・東京建電の営業四課課長だった。

バブル最盛期に入社し、経理部から営業部に移動になり、営業四課でパッとしない
会社生活を地味に送っていた。

弁護士の加瀬に原島は語る。

地味な部署ですよ。
産業関連を扱う花の一課や電子機器の二課と比べたら人も少なく、実入りも小さい。

そこから一課長のポストをつかんだ訳だ。

失う時はあっという間ですね。

手放したのはあなた自身です。

原島さん。
我々は、この半年の間にこの会社に何が起きたのか、あなたに何があったのか
知りたいと考えています。

なぜ、あなたは何もかも壊そうとしたのか。
全てを失うと分かっているのに。
話して頂けますか?

始まりから全て。

 

これから「何か」が起こるらしい弁護士の聞き取りからの回想式物語展開…。

原作は、現在放映中のTBS日曜劇場『半沢直樹』と同じ池井戸潤氏の同名小説。

スタッフも役者も雰囲気も何もかも違うのに、初回の感想は同じ感じ。

 

面白かった……よね

『半沢直樹』の方はTHEエンターテイメントという雰囲気だが、こちらはもっと硬派な
社会派ものに仕上がっている。

東山さんもここでは突然踊りだしたりしなそう…なんかも~くたびれた雰囲気の
中年のおじさんである。

 

半年前、定例の会議で上司の北川から怒られ続ける原島。

その会議で営業一課の課長・坂戸は、自分を馬鹿にした態度を取った係長の八角に
突然食って掛かって行った。

ミーティングにも顔を出さない。売り上げの報告もない!
朝から晩まで俺たちが駆けずり回ってる間、あんた一体何してんだ!
何もできないなら、せめて居眠りはやめろ!一課の足を引っ張るのはよせ!

この数日後、坂戸は八角からパワーハラスメントで訴えられる。
そして、調査委員会が動いた結果、パワハラは認定されてしまうのだった。

人事部に異動になった坂戸の代わりに花の一課の課長の白羽の矢が立ったのは
何故か四課で成績振るわず怒られてばかりいた原島。

 

人事部付けになった坂戸君の後任として君に営業一課長を任命します。

私を…ですか?

役員会で君の名前が挙がってね。
君の努力は私も相応に認めてきたつもりだ。
頑張ってくれ。

 

突然の事に信じられない気持ちでいる原島に一番初めに下された命令。

 

今まで営業一課で扱ってきたネジの一部を急いで新しい下請けに発注し直したい。
製造の稲葉部長に同席してもらったのはそのためだ。

発注し直し…。
転注という事ですか?

坂戸君が取り引きしてきた会社には信用不安があってね。

万が一倒産という事になれば工場の計画生産に大きな支障が出る。
ま、俺はもともと営業に調達まで任せるのは反対だが、徹底したコスト管理とやら
じゃしょうがない。

新しい取引先を見つけ、坂戸が扱ってきたネジを全て可及的速やかに転注する事。
よろしく頼む。
納期は絶対厳守。

 

一課の課長であった坂戸は原島の後輩で、真面目で信頼厚い男だった。

お前…北川部長と何かあったのか?
じゃなきゃありえないだろう、こんな人事。
営業部の業績を上げてきたのはお前だ。
言ってみろ、何があった?

荷物を持って人事に異動していく坂戸に原島は聞いたが、坂戸は

もう決まった事ですから。

と言葉少なに言うのみ。

 

坂戸。
一課長を外されたからといってお前の実績まで否定された訳じゃない。
お前が会社にとって必要な人材である事に変わりはない。
だから自信を持って…。

 

そんな人間…どこにもいませんよ。

代わりなんかいくらでもいます。
会社って…そういうもんでしょう?

 

ネジの転注先として、原島は「ねじ六」を当たったが、かつて坂戸との仕事に
トラブルがあった社長の三沢は仕事を引き受けてくれない。

一課の会議で部下からも製造からも責めたてられる原島。

これ以上、引っ張らないでほしいんです。坂戸さんならそうします。

発注単価を…コストを上げたらどうでしょう?
そうすれば転注も早く終わらせる事ができ…。

コストは死守して下さい。
前課長の築き上げた一課の利益率を絶対下げないで下さい。

 

今の条件では絶対に受注しない覚悟の三沢にも、銀行から融資の話を断られ経営に
窮している事情があった。

繰り返し頭を下げる原島に、ついに三沢は言うのだった。

 

条件がある。

1回目の発注分1000万、前払いにしてもらえませんか?
銀行の融資が駄目になってこのままじゃ建電さんの仕事引き受けても
途中で潰れてしまいそうだ。

 

前払いか…。
問題は、経理と…役員会か。

 

経理の新田は一課の利益率が課長が変わってから落ちた事を問題視していた。
なぜ課長が変わったら、ネジの発注先を変えるのか。

何か癒着があるのではないかと怪しんで、上司の加茂田に相談する新田。

よし、次の計数会議で徹底的にたたく。
ねじ六への前払いは断固突っぱねる。

役員会です。
我が物顔の営業に一泡吹かせるチャンスです。

 

しかし、ネジの転注と前払いは役員会でアッサリと認められた。

新田は腑に落ちない。

坂戸が課長だった時には「トーメイテック」という会社に注文しており、
最盛期には月7000万近い取り引きがあった。
しかし、それはある時、急に凍結されている。

そして、坂戸は飛ばされた。

本当はパワハラなど無かったのではないだろうか…。

 

前払いが出来ると報告を受け、三沢は初めて原島に頭を下げた。

三沢もかつては鉄鋼会社のライン管理をするサラリーマンだったと言う。

 

ずっとネジみたいだと思ってました。自分の事。
会社の大きな部品を留めるだけ。
私じゃなくても代わりはいくらでもいる。

おやじが死んで、この会社継ぐ時ねだから決めたんです。
これからは自分が誇りを持てる仕事をしよう。
小さくても一国一城の主になろう。

たかがネジです。
ですがうちのネジはどこにも負けない。
精いっぱいやらせてもらいます。

 

やっと仕事が進む事に原島も大きな喜びを感じていた。

その矢先…。

原島が三沢に渡したネジが、強度のテストで折れたのだった。

 

原島は次第に坂戸が一課課長のポストを追われた事に疑問を感じ始めた。

強度の足らないネジを作る「トーメイテック」。

そこに足を運んだ原島は入り口の前で八角と出会う。

やめときな。

ちょっと前には経理の新田が入って行ったという八角。

 

なぜ止めるんです?何があるんですか?ここには。

さあな。

とぼけないで教えて下さい!
家族を持つ一人の男がそれでポストを失ったんだ。

坂戸の事か…。

あなたが坂戸をパワハラで訴えたのは坂戸に何か秘密があったからなんじゃないですか?
それでパワハラをでっちあげて彼を隔離しようとした。
坂戸はトーメイテックと癒着していたんですか?

癒着…。
ハハ…癒着ね。

ハッカクさん、あなた誰なんだ?
あなた、私を見張ってたのか?
一課長になってからずっとここに近づかないように…。

見張ってなんかいねえよ。

強いて言えば…そうだな…試したんだ。

試した?何をです?

ここから先の事を知ったら、お前、二度と戻れなくなるぞ。
今の自分の生活に。

 

う…ん…。
これから何かが起こるらしいことは解っているので、その内容には一応期待する。
…けれども、見えてこないんだよね。
何が起こるのかサッパリ。

坂戸さんも、たぶん何も知らずにトーメイテックと取引していて、「ある事」に気づき、
そのせいでポストを追われることになったのかなぁ、と。

社長は清廉潔白な人らしいから、癒着などがあればその下なんだろうなぁ…とか…

色々と想像はするけれども、最終的に出てくる「ある事」が視聴者にとって
本当に興味惹かれる内容なのかどうか…そこら辺が確信持てないので、面白いかどうかも
解らないんだな…。

 

まぁ…そういう部分は別にして、会議の何だか追い詰められる感じとか、リーマンは
誰か居なくなってもネジのようにいくらでも代わりがいるとか…。

そういう部分には共感した。

ホント、そうだもんな。

社会における自分の価値というものが、解らなくなる時。

たぶん、雇われている人間は、誰でもそれを理解できるだろうし…
だからこそ社会にしがみ付くように生きているんだものね。

 

一話を見る限りでは『ハゲタカ』ほどグッと来るものはなく…。
(申し訳ないけれども私にとってこの枠はどうしても「ハゲタカ」基準で見ちゃうので )

何にグッと来ないのかというと、やはり演出なんだろうな…と思っている。

もっと面白くなる事を願って次回も見てみる…という感想。

 

※見逃した方、再放送あります!7月14日(日)24時40分~25時40分 NHK総合。
本日ですね。


中堅の電機メーカー・東京建電の営業部4課長・原島万二(東山紀之)は、業績が常にふるわず、
会議で上司に叱責され続けていた。
対照的に営業1課長の坂戸(眞島秀和)は、営業のエースと誰からも認められていた。
だが、坂戸が、1課の万年係長とあだ名される八角(吉田鋼太郎)から突如パワハラで訴えられて
更迭され、後任に原島が任命される。
原島は不可解な人事に驚き、下請けへ発注される製品用のねじに隠された謎に直面する。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2013年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

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※キャスト

原島万二 … 東山紀之

八角民夫 … 吉田鋼太郎
坂戸宣彦 … 眞島秀和
原島江利子 … 戸田菜穂
佐伯浩光 … 田口淳之介
加瀬孝毅 … 堀部圭亮
新田雄介 … 山崎樹範
浜本優衣 … 村川絵梨
川上省造 … 矢島健一
三沢逸郎 … 甲本雅裕
三沢奈々子 … 遊井亮子
加茂田久司 … 野間口徹
稲葉要 … 中村育二
佐野健一郎 … 豊原功補
奈倉明 … 戸次重幸
梨田元就 … 神保悟志

原島の父 … 竜雷太

北川誠 … 石橋凌
宮野和弘 … 長塚京三

 

※スタッフ

脚本 … 宮村優子
制作統括 … 谷口卓敬
演出 … 堀切園健太郎
音楽 … 横山克

原作 … 池井戸潤 『七つの会議』

【七つの会議】第1話 第2話


コメント

  1. 七つの会議 TOP

    『七つの会議』は、2013年7月13日から、毎週土曜日21:00 – 21:58に、NHK総合で放送中。東山紀之主演。全4回予定。 概要 大手電機メーカーの下請け子会社を舞台に「内部告発」をテーマとし

  2. NHK「七つの会議」第1話★あんた巻き込まれてるんだ 何かの渦に! 傑作の予感

    NHK「七つの会議」第1話
    だれかが消えていく〜会社の秘密、人事の謎

    中盤以降、経理の新田(山崎樹範)がゴソゴソやり始めた頃から馬鹿ほど面白くなった!!
    NHKの「経済・企業ドラ

  3. NHK土曜ドラマ『七つの会議』#1

    原作は池井戸潤の同名小説。未読。池井戸祭りだイェーイ!

    中堅の電気メーカーを舞台に
    平凡な課長が人事異動をきっかけに、
    前任者の更迭された理由を探る。

    公式HPはコチラ

  4. NHK土曜ドラマ『七つの会議』 第1回

    『だれかが消えてゆく』
    『だれかが消えていく〜会社の秘密、人事の謎』

    内容
    その日、弁護士の加瀬孝毅(堀部圭亮)に呼び出された
    東京建電の原島万二(東山紀之)
    入社からのこと…

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