【カラマーゾフの兄弟】 第10話 感想

あんなやつ…死んで当然なんですよ!

僕にだけは聞こえていたんですよ。あなたの心の叫びが。
全てあなたのためにやったんです。

 

カラマーゾフの兄弟 第10話

   ドラマ カラマーゾフの兄弟 感想
 

初回に書きましたが、原作は既読なのでなるべくネタバレのないレビューを心がけます。

 

母の墓で、かつてのお手伝いだった八重子と再会した涼。

 

真実が聞けて良かったです。

確かに母の痛みは受け入れ難いほどつらく悲しいものでした。
でも、それを知ることで僕はようやく自分が どうあるべきか分かった気がするんです。

守りたい人を守れるように強くなりたいって。

 

詩織が何に苦しんでいたのか涼に話した事を後悔していた八重子はホッとした。

親子ですね。
詩織さまの優しさが、息子さんにちゃんと受け継がれている。

 

しかし、その後で八重子が語った思い出話は、涼にとってさらに衝撃的であった。

ある女性がお金に困って文蔵に縋り付きに来たのを足蹴にした。
詩織は、女性にお金を渡すために八重子を使いに出したと言うのである。

 

なぜ母はその女性にそこまで?

おなかに子供がいたからです。

えっ?

詩織さまの優しさが、その子の命を救ったんです。

 

家に帰った涼はその事を勲に相談した。

もしかしたら、父さんにもう1人子供がいたかもしれない。

あの親父のことだから考えられなくはない話だな。

 

勲は大して驚かなかった。

文蔵の死の事をその子どもにも伝えてあげたいと言う涼に、勲は満の件が片付いたら
一緒に探そうと言ってくれた。

 

しかし、涼は持ち前の優しさから、その事が頭を離れなかった。

八重子からその母親は出産のときに亡くなり、子どもは施設に預けられたと聞き、
涼は施設を1軒1軒当たり始める。

 

勲は、満の供述と刑事の取調べた内容を丁寧に読んでいたが、厄介な裁判に
なりそうだと感じていた。

今のところ、こっちが不利だ。
親父を殴ったという事実が殺意の表れであると検察側は厳しく追及してくると思う。
それを覆す有力な証拠を手に入れないと。

久留美のために親父を殴ったのだろう、と聞くと、満は自分が未熟だからだと言う。

そして、満は加奈子と別れた事も勲に打ち明けた。

俺から ちゃんと 言わなきゃいけないことだったのに加奈子から切り出してくれた。

 

よかったら、これからも気に掛けてやってもらえるか?

分かった。

 

勲は、久留美がいるバーに行き、再び話を聞いた。
少しでも証言がほしかったのだ。

苦しい状況だと告げると久留美は肩を落とした。

私のせいね。
彼の気持ちを踏みにじって、裏切って…。
ホントに罰を受けるべきなのは私なのにね。

そんなこと満兄さんは望んでないよ。
あの日、兄さんは父からあなたを守ろうとしたんだ。

えっ?

母と同じ目に遭わせたくなくて。

僕たちの母は、父にいいように利用され、自ら命を絶った。
母の二の舞いにはさせたくなかったんだよ。

久留美は、時間を戻したいと言った。

 

あの夜、何にもすることがなくて、つい気になって彼からの留守電を聞いた。
それで初めて様子がおかしいことに気が付いたの。
私がもっと早く電話に出てれば…。

でも、もう何を言っても手遅れね。
私にできることなんて何にもない。

会いに行くことはできるだろ。
裁判になる前に一度でいい。顔、見に行ってやってくれないか?

 

そう言って勲は久留美と別れた。

その会話は、勲の心にずっと引っかかった。
ずっと考えていた勲は、翌朝、ふと気づく。

久留美は、
「だけどあの夜、何にもすることがなくて…」
と、言っていた。

勲は満と面会した。

1点確認したいことがあるんだ!

えっ?

あの日…。

 

その頃、涼はやっと父が外に作った子供が「佐々木純也」という名である事を突き止め、
同じ施設で育った男を訪ねていた。

何となく覚えてますよ。すごいおとなしいやつで…。

彼はそう言ったが、特に仲も良くなかったし連絡先は知らないという事だった。
ガッカリして帰ろうとする涼に、男は施設にいたころの「佐々木純也」の写真を
見せてくれた。

自分を捨てた親を恨んでるって、よく言ってたな。

 

涼は、写真を見て愕然とする……。

 

勲は満と面会してすぐに家に戻った。

末松がいつものように笑顔で迎えてくれ、お茶を入れてくれた。

勲は座りもせずに、そんな末松を見ていた。

 

事件の日、満兄さんから電話を受けなかったか?

答えろ。

吉岡久留美は、あの日、うちに来る予定なんかなかった。
なのにお前は彼女が来ると電話で兄さんに伝えたそうだな。

なぜそんな嘘を言った?

 

末松は黙ってお茶を入れていた。

そして、楽しそうに笑い始めた。

 

何がおかしい?

勲の前に立って、真っ直ぐ見つめ、笑顔を浮かべる末松。

 

僕はこの日をずっと待っていました。

やっと気付いてくださいましたね。
なかなか気付いてもらえなくて焦りましたよ。

 

生まれてすぐに母を失くした末松は、施設で育ち、自分の生い立ちを知った。

中学の時に「黒澤」の家を訪ね、門の外からそっと様子を窺った。
育ちの良さそうな兄弟が、仲良く話しながら家に帰ってくる。

末松は心から羨ましく思った。

家に入ってきた車に乗る文蔵に、思い切って声をかけた。

すると、文蔵は、小銭を投げつけてきたのだった。

物乞いが!!

 

その日から、末松はずっと文蔵を恨み、出自を呪い、兄たちを羨んで生きてきた。

 

まさか、お前が…。

勲は末松から目が離せなかった。
末松は、ずっと笑っている。

その顔は、もはや悪魔にしか見えなかった。

 

殺されるべくして殺された父親とその罪をかぶった能なしの息子。

これ以上完璧な采配が、他にありますか?

結構うまくやったでしょ?

 

お前が殺したのか?

答えろ。

お前が殺したのか!?

 

あんなやつ…死んで当然なんですよ!

僕にだけは聞こえていたんですよ。あなたの心の叫びが。
全てあなたのためにやったんです。

…勲兄さん。

 

何度電話しても勲は出てくれず…
涼は警察に駆け込み、入江刑事に訴えた。

 

刑事さん!
お願いします!僕と一緒に来てください!
殺害動機のある人物があの屋敷の中にもう1人いたんです!

兄が電話に出なくて心配なんです!
お願いします!

 

涼は入江に、先ほど会って来た男から借りた施設の写真を見せた。

そこには、末松が写っていた。

 

やっと…ここまで来ました…。

今まで隠して書くのが結構辛かった。
カラマーゾフの兄弟は4人!!

あとは…何で真犯人が判明したはずなのに、来週の予告で裁判やってるの

って所ですよね。

それは…今までの彼らを見ていれば何となく察するところはあるかと。

結局…黒いんですよね。文蔵の血筋は。

 

え~感想は後ほど追記します。

 

原作:「青空文庫」にもありますよん。もちろん無料→「青空文庫/カラマゾフの兄弟」

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~顔の無い仔~  
涼(林遣都)が母・詩織(安藤サクラ)の墓前に来ると、丸谷八重子(山野海)がいた。
八重子から、詩織が文蔵(吉田鋼太郎)のために自らの体を犠牲にしていた事実を
聞かされて以来、初めて会う2人。
その事実を話して良かったものかと気にかけていた八重子に、真実を知ることで
自分のあるべき姿に気付けた、と感謝の意を伝える涼。
涼の優しさを痛感した八重子は、詩織が存命中にあった“あるエピソード”について
話し始めた。

一方、拘留中の満(斎藤工)との接見を終えた勲(市原隼人)は、警察署の廊下で加奈子
(高梨臨)と出くわす。
数日前、満が選んだ女性、久留美(芳賀優里亜)の姿を目の当たりにしたことで、傷つき
落ち込んでいた加奈子を優しく抱きしめた勲。
以前、満への愛を受け入れてもらえない仕返しに、自分の気持ちをもてあそんでいると
勲から指摘された加奈子。
2人は気まずい雰囲気のまま、当たり障りのない会話だけで、それぞれの方向に歩いて行く…

勲と別れた加奈子は、満と面会。
加奈子との別れを置き手紙で伝えたことを謝る満に、加奈子は2人で住む部屋を引き払う
ことを伝えた。

黒澤邸に戻った勲は、部屋で満との接見で得た情報を整理していた。
事件当日の内容は、どれも満に不利なものばかりで、兄を無罪にするのは困難と思われた。
そのとき、ドアがノックされ部屋に入ってきた涼が、八重子から聞いたという
衝撃の新事実を話し始めた。

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2013年1月期・冬クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表と展望

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【キャスト】

黒澤勲 … 市原隼人(イヴァン/ワーニャ)
黒澤満 … 斎藤工(ドミートリイ/ミーチャ)
黒澤涼 … 林遣都(アレクセイ/アリョーシャ)

遠藤加奈子 … 高梨臨
末松進 … 松下洸平
小栗晃一 … 渡辺憲吉

黒澤詩織 … 安藤サクラ
園田志朗 … 小野寺昭
吉岡久留美 … 芳賀優里亜
刑事 … 滝藤賢一

黒澤文蔵 … 吉田鋼太郎(フョードル)

【スタッフ】

演出 … :都築淳一、佐藤源太、村上正典
脚本 … 旺季志ずか

原作 … フョードル・ドストエフスキー

 

 

 

 
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カラマーゾフの兄弟第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話


コメント

  1. まゅげ より:

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    やっと隠しがなくなりましたね^^
    原作未読の私は、犯人は原作どうりで有難く思ってます~
    実は3人とも兄弟ではないとか、犯人は使用人かもとか考えてましたが、腹違い兄弟とは・・・。
    というか、あのクソ親父だったらもっといそうで怖い・・・・。

  2. カラマーゾフの兄弟 (第10話・3/16) 感想

    フジテレビ系ドラマ『カラマーゾフの兄弟』(公式)の第10話『顔の無い仔』『(ラテ欄)顔の無い仔~ついに真犯人!?』の感想。
    なお、原作である文豪フョードル・ドストエフスキーの…

  3. タンバリン より:

    SECRET: 0
    PASS: 0ed1c3e26413383ecfd901bbe0a75262
    松下さんの緩急つけた演技良かった~(^.^)
    このまま三兄弟の設定のままだったら可哀想と思っていたので…。
    来週の裁判所でのバトルが楽しみです。
    来週でイケメン兄弟の苦悩が見れなくのが寂しい…。次のドラマは180℃変わって古田あらたさん主演のお笑いドラマですよね。面白いかな?

  4. カラマーゾフの兄弟 第10話

    2013.3.16 Sat On-Air 第10話 ~顔の無い仔~ ラテ欄「顔の無い仔~ついに真犯人!? 」  三男・涼(林遣都)が母・詩織(安藤サクラ)の墓前に来ると、丸谷八重子(山野海)がいた。八重

  5. 櫻井8号 より:

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    くうさん、レビュー、ありがとうございます!!
    そうですよね!原作既読だと、「カラマーゾフは実は4兄弟」を隠してレビューを書かれるのは大変だったとお察しいたします。
    今回、晴れて真犯人が分かり、レビューやコメントが書きやすくなりましたね!!やっぱり犯人は原作通り!

    しかし、このドラマは原作を踏襲しつつも少しずつそのその持ち味が細かいストーリー設定がずれてきていて、ここはどう描くのだろうと毎回それも楽しみです。
    私としては以下の点がすごく気になります。来週裁判の章で明かされるかかどうか。
    ・末松はどんな手段で黒沢家の使用人になれたのか?
    ・オヤジを憎む動機はすっごく明確に描かれていましたが、満まで見下し(憎み?)、犯行に利用する動機がイマイチ不明。原作でも末松(スメル)は勲(イワン)に傾倒し、兄弟の仲では一目置いていますが、
    それは幼いころから兄弟を身近に見てきたからでしょう。しかし、ドラマでは高校生ぐらいにちょこっと門の合間から鑑みただけ。その後使用人になってから、兄弟の性格が把握できたという設定でしょうか。すでにあの時点では満さんは家を出ていないので、涼や勲ほどは接点がないはずです。どうやって満さんのことを能無しと判断し、罪までかぶせる動機があるのでしょうか?オヤジを憎んでいるのに、そのオヤジの言葉を真に受けるとも思えません。共感を示すとも思えませんが、犯行に利用するほどで憎むとも・・・個人的にそこらへん、はっきりさせてほしいなあと思います^^
    願わくはもう一回分放送を増やし、末松についての章を作ってほしかった。末松という人物の性格や生い立ちをやってほしかったですね。実際に、彼にもものすごく同情の余地はあるのです。あの「猫殺し」のエピソードなども。

    実は私は原作中の法廷での弁護士と検事の善悪の判断、幼児虐待と親の定義、裏の顔と表の顔、ミーチャ(満)の意外で純な一面が語られるあの章が大好きで、今回のドラマでもラスト2~3回を割いて、法廷場面が描かれると思っておりましたので、すこし残念な気もしました。
    しかし、勲と涼が兄を救いたい一心でそれぞれのアプローチで犯人にたどり着くくだりは、すごくスリルがありよかったです。
     よしぼうさんも言及されていらしたように、犯人が分かったのに来週法廷の場面があるということは、もしかして・・・ですよね・・・
    もしかして、原作通り犯人はーーーして、勲や涼の苦労も物的は証明されないという展開も・・・。
    なんにせよあのおやじの無慈悲な言動がすべての人を不幸にしたのですから、本当に牢屋に入れられるべきはあのオヤジですよね!

  6. カラマーゾフの兄弟 #10

    『顔のない仔~真相』

  7. カラマーゾフの兄弟 第10話

    『顔の無い仔
    「顔のない仔〜ついに真犯人!?

    内容
    亡き父・文蔵の幻に翻弄される勲(市原隼人)だったが、
    拘留中の兄・満(斎藤工)に接見しに行き、弁護することを伝える。

  8. よしぼう より:

    SECRET: 0
    PASS: f48f0bc14be20a480a061d1ada7fcfd4
    おはようございます。
    今回の脚本は武井彩さんです。
    そのせいか、真犯人が明らかになる重要な回なんですが、
    加奈子や久留実という満をめぐる女性陣が心情を吐露する回としても見事な出来でした。

    ただ、気になったのは法律監修が入っている珍しいドラマなのに、前々回兄弟は満に面会できないと言われ、弁護士として面会したのに、今回当たり前のように、加奈子が満に面会している。
    兄弟はダメで、恋人はいいという面会の基準を教えてほしいと思ってしまいました。

    そして、真犯人の登場した場面ですが、前回の彼のセリフから、ひょっとしてと思っていたのですが、彼の動機は自分と母を捨てた父に復讐すると言うだけではなく、勲への屈折した愛情だったというのに、唸らされました。この部分は、完全な旺季志ずか節だと思うので、次回の最終回が楽しみです。

    前回の感想で、ハッピーエンドを期待するようなことを書きましたが、満の裁判があるということは、原作通りの後味の悪いラストかもしれませんね。それはそれで楽しみですが・・・

    若い頃の勲と涼ですが、まだまだ市原くんも林くんもROOKIESといかなくても若い役で通用しますね。まあ、林くんはついこの間、高校生の役やってましたが・・・・

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