【NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 脚本家・遊川和彦 】次期連続テレビ小説「純と愛」脚本家を見て「梅ちゃん先生」を考える

2012年9月24日。
NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀 脚本家・遊川和彦 」を見た。

 

遊川さんは、10月から始まる朝ドラ「純と愛」の脚本を担当することが決まっている。

25年に渡る期間、40本以上のオリジナル脚本を書き上げてきたベテラン脚本家。
サラッと書けば大したことなく見えるが、25年間は大きい。

今から25年前のドラマが放送されていた頃のご自分の歴史を振り返ったら、今と全く
違う立場だったという方がほとんどだろう。
この世に生まれていない人もいるだろうし…まぁ…私の場合はまだ結婚してないな…

 

そんな長きに渡ってこの仕事を続けてきた脚本家の原点は
「人間の本質を描く事」だと言う。

 

数多くの有名作品があるわけだけど、最近の代表作と言ったらやはり「家政婦のミタ」
ですよね。
視聴率40%超えのお化け番組。

このドラマに出てくる阿須田家という一家は、遊川さん自身の家族と同じ構成なのだと言う。
母と父と4人の姉弟。
父は幼い頃、仕事が上手く行かなくて蒸発したのだそうだ。
つまり、「家政婦のミタ」の原点は遊川さん自身なのである。

今から思えば、それだけに思い入れが強く、それが視聴者にも伝わったのなぁ。

圧巻だったのは「第8話」のミタさんが自分の過去を告白するシーン。

自分の父が夫が息子が死んだ時の事をロボットのようにサラサラと、告白する。
過去の映像を一切入れずに松嶋菜々子の長台詞と表情だけで作られたシーンだ。

全く無感情に喋っていたミタさんの言葉の抑揚が、息子を失う時の告白で変わる。
あまりに残酷な過去を言葉もなく聞く阿須田家の子どもたちの目から涙がこぼれる。

見ているこっちも、すっかり持って行かれて、いつの間にかボロボロ泣いていた。

あの時、本当にすごいドラマだと思った。

ドラマから「叫び」のような物が聞こえた気がしたのである。

 

伝える事が大切だ、と、番組中で遊川さんは言っていた。
ドラマなんて年間何十本も作られる物だ。それでも…

「伝える意志だけは、何処かの少年や何処かの少女に残る。」

 

この日の「プロフェッショナル」は、息詰まるような内容だった。

「愛と純」の主演に抜擢された夏菜さんは、あまり演技経験のない女優さんだ。

まぁ、明るく可愛く前向きに朝ドラ主人公らしくやってるんだろ…
と、思っていたのだけど、とんでもない。

遊川さんは、週に一度はロケなど撮影現場に足を運ぶらしい。

「脚本家は作品を共に掘り下げていく責任があると考えている」から。

この思いの強さは、満足できない演技に向かって容赦なく飛んでいく。

夏菜さんは何度も何度も演技にダメ出しされていた。
これは、鍛えられるし……強くなるだろうなぁ…と思った。

来期の朝ドラが終わるころ、この人はとんでもない女優に化けるかも。

 

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

さて……。

この「プロフェッショナル」を見て、私は来期のドラマに期待すると共に、
「梅ちゃん先生」について考えてしまった。

堀北真希ちゃんは、こんな風に演技にダメ出しされていただろうか。
脚本の尾崎将也さんは、こんな風に現場で闘っていただろうか。

どうしても、私にはそうは思えない…。

もちろん、「梅ちゃん先生」はホッコリした基本コメディのドラマ(…たぶん)である。
でも、だから現場で闘わないというのは違うと思う。

尾崎将也さんだって、もうキャリア長いですよね。
今までにこんなんじゃない良いドラマをいっぱい見てきたはずなんだけど。

脚本を書くだけ書いて、後はよろしくとスタッフに任せ、思うようにドラマが
進んでいなくても「まっ、いっか」になってしまっているような気がするのだ。

 

「伝える意志だけは、何処かの少年や何処かの少女に残る。」

という主張で訴え続ける遊川さん。

それが強いだけに、ドラマにはクセがあり、はっきり言っちゃうと私も作品によっては
好き嫌いの多い脚本家さんなんですけどね……

脚本降板したドラマって1994年の日テレ「禁断の果実」かな。

それでも、私が嫌いだと思う作品を好きだと言う人が必ずいっぱいいる脚本家さんでもある。

伝わっているのだ。誰かに。

 

「梅ちゃん先生」終了まで後3回。

尾崎さん、伝えたい事、伝えてますか?

 

【再放送情報】
「プロフェッショナル 仕事の流儀 脚本家・遊川和彦 」を見逃した方。

9月28日(金)午前0時25分から(中部ブロックは午前0時55分~)再放送あります。ぜひ。

 

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【参考記事】遊川和彦 by Wikipwdia

【関連記事】
「プロフェッショナル 仕事の流儀」ぶつかりあって、愛が生まれる 脚本家・遊川和彦 by NHK
「家政婦のミタ」レビュー

 

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コメント

  1. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >遊川さんの作る朝ドラには、期待大。

    このプロフェッショナルは凄かったよ~!いや、この番組はいつも凄いけど…
    なんかドラマ作りしてる遊川さん見てたら泣けてきた。
    夏菜ちゃんも頑張っていたよー。

    >竹夫は最近、竹夫じゃなくて小出恵介になってきてるし、
    鶴ちゃんはもう、寅さんだし。
    注意してあげて〜!!!って、私だけかな^^;。

    何だったんだろうね…「梅ちゃん先生」のキャラたちって。
    結局、面白いのは下村家以外の脇役の人たちだった・・・。

    >うちの母も『カーネーション』は見ないと言って見てなかったのに、
    「梅ちゃんは良いね〜。朝から楽しませてくれる。」って、喜んでます。
    お年寄りには、あれくらいの力の入れ具合で良い番組だったのかも^^;。

    ウチの父も。「カーネ」はメッチャ嫌ってた。
    「梅子」は好きみたい。あんな娘がほしいんじゃないの?
    実の娘たち…つまり私らがあんなだったらと夢見てるに違いないww

    10月から、ちょっと楽しみ。重そうだけど^^;

  2. 紫花浜匙 より:

    SECRET: 0
    PASS: 2e53a55205fc3e8dbbe09f9811e48609
    遊川さんの作る朝ドラには、期待大。
    プロフェッショナルは見てなかったんだけど、
    真摯な現場の凄さが、くうさんの文面から伝わってきました。

    それに比べると、まあ、梅ちゃんは脱力系かもね^^;。
    一貫して、説得力に欠けてたし。
    今週のひろしくんの「嘘だ〜!」発言も、
    珍しく『梅ちゃん』にピリッとした空気が漂って来たと思ったら、
    「嘘だ〜!」の理由に説得力が無かったし。
    むしろ、恵まれてるじゃん。とすら思ってしまったし。
    竹夫は最近、竹夫じゃなくて小出恵介になってきてるし、
    鶴ちゃんはもう、寅さんだし。
    注意してあげて〜!!!って、私だけかな^^;。

    でも、朝から笑わしてくれてるのも『梅ちゃん』。
    うちの母も『カーネーション』は見ないと言って見てなかったのに、
    「梅ちゃんは良いね〜。朝から楽しませてくれる。」って、喜んでます。
    お年寄りには、あれくらいの力の入れ具合で良い番組だったのかも^^;。

    10月からは、又違う空気が流れそうで楽しみだね〜♪

  3. 梅ちゃん先生 第154回

    内容
    町の祭で救護所を任された梅子(堀北真希)
    山倉(満島真之介)に手伝ってもらっていると、
    そこに弥生(徳永えり)が現れる。

    梅子は、山倉に。。。。。

    敬称略

    こういうと

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