【運命の人】第3話

国会で密約文書の存在を追及した横溝議員(市川亀治郎)は、弓成(本木雅弘)から
預かった文書そのものを衆目に晒してしまう。

出所の発覚を恐れる弓成は、横溝から文書を取り返そうと走り回るがなかなか接触できない。

一方、外務省では一斉に機密漏洩の犯人探しが始まり、昭子は徐々に追い込まれていく。
焦った昭子から電話を受けた由里子は、切り際に舌打ちをされ不安が募る。

数日後の深夜、弓成は一本の不穏な電話を受ける。

(上記あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

 

「運命の人」第3話

 

     運命の人

 

横溝が予算審議会で取り出した機密文書は、当然、大変な騒ぎを巻き起こす。

弓成は文書を取り返そうとしたが叶わず、外務省の保管文書と照合される事に決定された。
翌朝の各新聞は、極秘電信文の写真を一面に掲載した。
予算審議会は中断された。

もう、後は機密漏れの特定を待つだけの状態…

 

弓成は横溝を捕まえて問い詰める。

 

カッとなってあんなことをしたのは私の落ち度ですが、総理を追い詰めるには
ああするしかなかったんです。

情報源を守ることが大前提だったはずだ!

予算委員会再開の日が勝負です。
与党の反佐橋派も巻き込んで総理を退陣に追い込めば、犯人捜しも吹っ飛びます。

だったら本当に総理の首、取ってきてくださいよ。

無論、我々もそのつもりです。

 

弓成は、上司からも繰り返し機密文書の出所を聞かれたが、横溝との繋がりは否定し続けた。

もちろん、外務省秘書とのつながりも…

 

その、昭子から、ついに家に電話が掛かってきた。

留守にしていた弓成が掛け直すと、電話の向こうから昭子の逼迫した空気が伝わってくる。

 

絶対に迷惑はかけないって、おっしゃったじゃないですか!

すまない…
君の名前は絶対に出ないよう配慮する。

誰にも批判されることのない新聞記者って世間知らずですこと。
外務省は犯人捜しで大変ですのよ!

昭子は、あの日からずっと気が動転していた。

彼女は、文書の照合を恐れて文書受渡簿を焼却してしまっていた。
それが見つからない事で、外務省は今、余計に責められているのだった。

あなたが約束破るから!

けど、決定的な証拠はないんだろ?
俺との文書のやり取りは誰にも気づかれてないし横溝議員とは接点がないんだ。

これで佐橋政権が倒れれば犯人捜しどころじゃなくなる。
それまでの辛抱だ。

歯を食いしばって調べに耐えてほしい。

 

何もかも失って歯を食いしばって耐えるほどの義理は昭子には何もない。
彼女は自嘲気味に言った。

魔が差したんですね、私。

いい記事を書いてほしくて危険を承知であなたに文書を渡していたのに…

 

どんな事態になっても君のことは守り抜くから。

今更、私を守るですって?

明日すぐに会って、今後のことを話し合おう。

会ってどうなるんです?自分のことは自分で決めます!

 

電話は夫に聞かれ、昭子はこの嫉妬深い夫から殴られた。

妻の仕事に嫉妬する夫。
妻の収入に嫉妬する夫。
妻の男に嫉妬する夫…

夫に言われ、昭子は解雇覚悟で翌日、安西審議官に全てを話した。

 

弓成は小平の元へ行き、この事を使って佐橋総理や福出外務大臣に
政治責任を追及してくれと頼んだ。

しかし、小平の反応は冷たかった。

わしのためにやったような口ぶりだな。

君ほどの記者が何というお粗末な失態だ。
うまくすれば佐橋・福出路線の息の根を止められたのに、君が使い方を間違えたせいで
この小平までが痛くもない腹を探られて迷惑してる。

文書を渡した者はクビで済めばいい方だろう。

そんな犠牲者を出すなど、二流どころか、三流の記者だ!

君には失望した。

 

4月3日。
密約疑惑をうやむやにしたまま予算案は衆議院を通過した。

沖縄返還密約問題は、今や機密文書漏えい事件にすり替わってしまっていた。

しかし、弓成は、まだ、記事で戦えばいいと思い込んでいた。
自分の足元が緩んでいる事に、まだ気づいていなかったのである。

やがて、昭子が退職したことを知った。

それどころか、安西審議官までもが次官昇進を目前に更迭されたのだった。

 

弓成は安西の家に走った。

安西さん!
このたびはご迷惑をおかけいたしました!

あなたの経歴を傷つけたこと、お詫びのしようがありません。

しかし、私は沖縄と日本の未来のために新聞記者としてギリギリの選択をした。
そのことだけはご理解ください!

この期に及んで言い訳かね。
私の部下をそそのかし、私を陥れた。
長年の友情を裏切った新聞記者の何を理解しろというんだ!

 

足元は確実に崩れてきていた。

ついに、警視庁から出頭要請が来た。

会社も、もう弓成を守る事は出来なかった。

 

それでも、弓成は、まだ信じていた。

自分が行ったのは正義のための手段だと…

 

  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

とっても複雑な問題になってきた…

弓成の一連の行為は、「正義」の心からの行動だ。

国家は今、沖縄返還に関して国民を騙そうとしている。
だから、弓成は、それを国民に伝えたかった。

騙している人間を糾弾したかったのである。

しかし、人間、「正義」のためならば何をやってもいいのかという問題に突き当たる。

これの場合は「正義」のために国家機密を漏えいしたという話なわけだが、
「正義」のために泥棒をした、と置き換えたらどうだろう。

いや、それも甘ければ、例えば「正義」のために人を殺した。という事だったら?

それはそれで別の罪だろう…と誰でも考えられるでしょう。

 

刑事の尋問を受けて、弓成は

これは沖縄密約事件であり、追及されるべきは私や三木事務官ではなくて
佐橋総理であるはずだ!

と言い、刑事から

難しいことをおっしゃられても私にはよく分かりません。

と言われているわけだが、これはまさにその通り。

刑事は現在この「泥棒」の部分で弓成を追及しているわけで、元の問題は
この場合、どうでもいいんだよね。

…そこにも気付いていないところが痛すぎる…。

 

でも、実際に弓成に泥棒の罪があるのかと言ったら、その部分もビミョウなのである。

だって、機密は昭子が勝手に弓成に渡してきた物だからだ。

 

しかし、たぶん、裁判が進んでいくと、昭子は「弓成の指図で渡した」というに違いない。

だって、そこまで弓成を守ってあげる義理が昭子にはないんだもん。
本当に愛し愛されている愛人ならばともかく、冷たくされたりまでしているし。

たぶん、昭子に送ったスカーフと「ありがとう」の手紙まで、泥棒をそそのかした
証拠として出されてしまうに違いない。

 

つまり…

弓成は何もかもが甘かった。

計画性のない泥棒行為をしてしまった事になる。

 

守ってくれると思っていた物は無くなり、裸同然で犯罪者になった弓成。

あまりに甘すぎて、ちょっと同情に値しない…

 

理想に燃えるのは良い。
国民に真実を伝えよう、という気持ちは称賛に値するものだ。

でも、そのために取った手段がダメすぎた。

お気の毒なのは、巻き込まれた人だよ。

 

安西審議官が一番気の毒・泣

本当ーーーーに、何もやってないのにねぇ…

 

さて、これからは裁判か。

ついに逮捕され、どんどん堕ちていく弓成。

ちょっと辛い展開…

 

【関連サイト】
※このドラマのネタ元である「西山事件」(沖縄密約事件)の概要。読むとかなりネタバレします。
「西山事件」by Wikipedia

 

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※キャスト

弓成亮太 … 本木雅弘
弓成由里子 … 松たか子
三木昭子 … 真木よう子
山部一雄 … 大森南朋
佐橋慶作 … 北大路欣也

司修一 … 松重豊
清原了 … 北村有起哉
金田満 … 遠藤雄弥
萩野孝和 … 梶原善
恵比寿史朗 … でんでん
荒木繁 … 杉本哲太
社長 大館智文 … 錦引勝彦
主筆 久留 … 吉田鋼太郎

安西傑 … 石橋凌
吉田孫六 … 升毅
山本勇 … 小松和重
林外務次官 … 石丸謙二郎

弓成正助 … 橋爪功
弓成しづ … 吉村実子
弓成洋一 … 今井悠貴
弓成純二 … 山崎竜太郎
八雲泰造 … 山本圭
八雲加世 … 高林由紀子
青山芙佐子 … 柴本幸
鯉沼玲 … 長谷川博己
三木琢也 … 原田泰造

大野木正 … 柳葉敏郎
高槻 … 伏見哲夫
坂元勲 … 吹越満

鳥井裕三 … 斎藤歩
松中雄也 … 眞島秀和

横溝宏 … 市川亀治郎
愛川輝一 … 大和田伸也
曽根川靖弘 … 本田博太郎
田淵角造 … 不破万作
福出赳雄 … 笹野高史
小平正良 … 柄本明

十時正春 … 伊武雅刀
井口捜査二課班長 … 小市慢太郎
森靖之 … 浅野和之

坂元千恵子 … 黒沢あすか
枝川清美 … ふせえり

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コメント

  1. 運命の人【第3回】TBS日9

    裏切りの代償 

    「電話した理由はおわかりですよね。横溝先生が暴露した、極秘電信文の件です。まさかとは思いますが、私がお渡しした文書ですか??絶対に迷惑はかけないっておっしゃったじゃないですか。誰にも批判されることのない新聞記者って、世間知らずで…

  2. NelsonTouchBlog より:

    運命の人三話&ハングリー!四話感想

    ■運命の人三話
    まさに、悲惨の極み。三話は主人公・本木雅弘にとって、一体なんだったというんだ!?状態。そういう意味では追いつめられていく様子が絶妙におもしろかった回だったけどね・・。

  3. 理想と現実の間 ~運命の人・第3話感想~

    本木雅弘演じる弓成。
    野党の議員に渡した外務省の極秘文書が、公に知れ渡ることになり、
    政治家の小平からも、外務省高官の安斉からも見放されることになる。
    弓成の人脈は事実上の壊滅か。
    ある意味独り…

  4. 運命の人 第3話

    第3話「裏切りの代償」 2012年1月29日  情報源を守るために極秘文書を紙面に掲載できないジレンマを抱え、弓成亮太(本木雅弘)は焦っていた。文書の使い方はいくらでもある、という山部一雄(大森南朋)に対し「自分のやり方で日本の未来を変えてみせる」と豪語した弓成…

  5. 運命の人「裏切りの代償」

    早くも、運命は暗転しはじめました。文書を燃やしたり、昭子(真木よう子)の動きが、逐一、裏目に出ます。

    あくまで正義のペンと信じて疑わなかった弓成(本木雅弘)の周囲も、どんどん悪い方に悪い方に動いていき… 大きな流れは、ふたりを巻き込み、問い詰められて…

  6. 「運命の人」第3話 本木雅弘さんの不遜な正義感

    「運命の人」第3回、追い詰められついに逮捕される本木雅弘さんと真木よう子さん。

    本木さんは、新聞記者としての正義のため、と政府の欺瞞を暴くのだが、そこに何かしら、

    不遜で傲慢な、自己中心な本…

  7. 運命の人 第3話:裏切りの代償

    弓成哀れなり・・・Σ|´Д`*|ァラマッ!!
    どこで歯車が狂ってしまったのやら・・・

    で、あの文書は確か昭子が気をきかせて弓成に渡したように記憶してるけど、
    弓成が昭子に文書を持ち出すように指示したって事になっちゃうのかな。

    弓成は現時点では昭子の事を守ろうと…

  8. 「運命の人」沖縄問題を考える3昭子が夫に連行され亮太は昭子の供述で国家反逆罪として逮捕された

    「運命の人」第3話は横溝が極秘文章を晒した事で追い詰められた亮太と昭子は焦っていた。佐橋総理は情報源の出所を徹底的に探して犯人を上げろ!と警視庁まで動かして捜査を命じ …

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